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杉田水脈発言は、女性に対する新種で最悪のヘイトスピーチ

女性に被害を通報できなくさせる妄言

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

「支援センター」関係者へ向けたヘイトスピーチ

 杉田氏が「女性は……」発言を行った自民党の会議は、「男女共同参画」にかかわる来年度要求予算額に関するもので、問題の発言は、「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」の増設方針を内閣府の官僚が説明した際に、発せられたものだという(毎日新聞9月26日発信)。

 同「センター」は47都道府県に設置されている。民間団体が担い、そこに政府が一部助成をする形で運営されているが、杉田氏は、民間が関わるよりも「警察の関与と連携」が必要だと主張しつつ、民間団体では「公金の不正利用などの問題」が起こる可能性があると主張した(→上記ブログ9月26日付)。

 この点は今回の「謝罪」ブログでは一切隠されているが、それは根拠のない言いがかりである。事実、同センターで公金の不正利用が実際にあったわけではない。ここで杉田氏が念頭においたのは、韓国の元慰安婦支援団体「正義記憶連帯」(旧挺対協)で最近発覚した事実にすぎない。

 にもかかわらず、「日本でも同じ問題が起こる可能性を懸念する声もあります」などと記して、あらぬ疑惑を、同センターに投げつけたのである。

 両者を結びつける契機となったのは、スタッフが(主に)女性であるという事実である。なるほど、少なくとも「正義記憶連帯」の代表者は女性であり、また同センターは、被害者が気がねなく相談できるように、一般に女性スタッフによって運営されている。

 だが、たかだかその程度の事実を媒介にして、同センターで不正がなされる可能性があるなどと主張するとすれば、それは民間団体に対する新種のヘイトスピーチであり、

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筆者

杉田聡

杉田聡(すぎた・さとし) 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

1953年生まれ。帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)。著書に、『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『逃げられない性犯罪被害者——無謀な最高裁判決』(編著、青弓社)、『レイプの政治学——レイプ神話と「性=人格原則」』(明石書店)、『AV神話——アダルトビデオをまねてはいけない』(大月書店)、『男権主義的セクシュアリティ——ポルノ・買売春擁護論批判』(青木書店)、『天は人の下に人を造る——「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『カント哲学と現代——疎外・啓蒙・正義・環境・ジェンダー』(行路社)、『「3・11」後の技術と人間——技術的理性への問い』(世界思想社)、『「買い物難民」をなくせ!——消える商店街、孤立する高齢者』(中公新書ラクレ)、など。

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