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【公演評】月組『ピガール狂騒曲~シェイクスピア原作「十二夜」より~』

ベルエポックの香り漂うロマンチックミュージカルで珠城りょうが男と女を演じる!?

さかせがわ猫丸 フリーライター

 月組公演、JAPAN TRADITIONAL REVUE『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』とミュージカル『ピガール狂騒曲』~シェイクスピア原作「十二夜」より~が、9月25日、宝塚大劇場で初日を迎えました。公演が延期を重ねる中、月組が最も遅い上演となっただけに、出演者もお客様も待ちわびた分、喜びもひとしおだったことでしょう。

 月組トップスター珠城りょうさんと相手役の美園さくらさんは、すでに次の大劇場公演での退団を発表しています。今、最も充実し、輝きを放つ2人が挑むのは、雪月花をテーマにした日本物レビューと、シェイクスピアの『十二夜』をもとにしたミュージカルの2本立て。そして、今回は106期生お披露目公演でもあります。

 日本の美を象徴するようなショーと、笑顔の絶えないミュージカルコメディは、コロナ禍をも吹き飛ばすような明るさに満ちていました。珠城さんはお芝居で、なんと男と女の2役を披露しています。いまなお発掘される珠城さんの魅力に、まだまだ目が離せません。(以降、ネタバレがあります)

坂東玉三郎が手掛けた宝塚

拡大『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』公演から=岸隆子 撮影

 日本物のショーがある際は、いつもと上演順が入れ替わり、一幕は『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』から始まります。四季折々の彩りで飾るレビューは、洋楽と日本舞踊をコラボした、宝塚らしい斬新な演出がみどころ。今公演では、坂東玉三郎さんが初めて監修として参加されたのも、大きな話題を呼びました。

 幕開きはおなじみチョンパから。チョーンという拍子木の音とともに真っ暗な場内がパッと明るくなり、色鮮やかな着物に身を包む出演者たちが目に飛び込む演出は、これぞ日本物の醍醐味。何度見ても感嘆の声をもらさずにはいられません。テーマソングの「WELCOME TO TAKARAZUKA」も軽快で、帰り道には口ずさんでしまいそう。何度も繰り返されるWELCOMEという言葉は、オリンピックで訪れる世界各国のお客様に伝えるメッセージだったかもしれませんね。

 華やかなオープニングのあとは、こちらも待ち遠しかったひな鳥たちの旅立ちです。初舞台を踏む106期生の口上に、フレッシュな風が吹きぬけました。

 真ん中に立つ珠城さんは、あでやかな着物が男役らしい立ち姿に映え、トップスターとしてのオーラが、大輪の花のように咲き誇っています。ヴィバルディの『四季』やチャイコフスキーの『くるみ割り人形』などクラシックの名曲で日舞を踊るのは、宝塚ならではの面白さでしょうか。特にベートーヴェンの『月光』をボレロ風にアレンジした場面では、大人数が一糸乱れぬ動きを見せる群舞でクライマックスを迎えます。また、長年、日舞には欠かせなかった専科の松本悠里さんもこの公演で退団となり、圧巻の舞を披露。有終の美を飾りました。

◆公演情報◆
2020年9月25日(金)~11月1日(日)宝塚大劇場
2020年11月20日(金)~2021年1月3日(日)東京宝塚劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』
監修:坂東玉三郎
作・演出:植田紳爾
『ピガール狂騒曲』
作・演出:原田 諒

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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