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『ビリー・エリオット』はリモートレッスンでも進化する

プロデューサーがつづる公演の歩み②

梶山裕三 ホリプロ ファクトリー部副部長

 2020年秋、コロナ禍を乗り越えて開幕したミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』は東京公演を無事に終え、大阪へ向かった。その歩みをプロデューサーが記す連載の2回目です。第1回は、こちら

重なる上演中止、ビリーもステイホーム

拡大ビリー役の(左から)川口調、利田太一、中村海琉(かいる)、渡部出日寿(でにす)

 新型コロナウイルスの猛威はおさまらず、2月に上演したホリプロ主催の舞台『ねじまき鳥クロニクル』と、制作を請け負う彩の国シェイクスピアシリーズ第35弾『ヘンリー八世』が、公演の途中で中止となった。3月下旬、初日を遅らせて開幕したミュージカル『サンセット大通り』も千秋楽前に公演中止となってしまう。

 そんな状況下でも、オーディションで選ばれたビリー役の少年たち4人は練習を続け、3月23日からは本格的なレッスンを開始した。ミュージカル『ビリー・エリオット』を開幕するためには、この日から数えて16週間かかるため、1日も無駄にできないのだ。

 万全の感染予防対策を施し、緊張感に包まれてのスタートとなった。本来、この日には、ロンドンから演出スタッフが合流する予定だったが、日本以上に感染が広がるロンドンから来日できるはずもなく、演出補のサイモン・ポラード氏はリモートで参加し、レッスンはスタートする。

 しかし4月に緊急事態宣言が発出されると、4人のビリーが集まってのレッスンの継続は難しくなり、全員がステイホームとなった。


筆者

梶山裕三

梶山裕三(かじやま・ゆうぞう) ホリプロ ファクトリー部副部長

1978年名古屋市生まれ。早稲田大学在学中、ミュージカル研究会でオリジナルミュージカル創りに没頭し、卒業後は舞台制作者を志す。2001年吉本興業に入社。「よしもと新喜劇」の制作などを経験した後、06年ホリプロに入社。多くの舞台のプロデュースを手掛ける。近年は「日本から世界へ発信する」との目標を掲げてオリジナルミュージカルに取り組み、15年初演「デスノート THE MUSICAL」は、日本で大ヒットした後、韓国人キャストによる韓国公演も実現、ホリプロ作品として初の海外ライセンス上演を果たした。18年には黒澤明監督の代表作「生きる」を世界で初めてミュージカル化。20年10~11月に東京、富山、兵庫、福岡、愛知で再演される。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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