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引退から40年、山口百恵には私たちを魅了する「暗さ」があった

その時代的意味と可能性

太田省一 社会学者

 引退を決めた女性歌手が舞台の上にマイクを置き、静かに去っていく……。これまで何度も話題になり、時にはパロディにもされてきた光景だ。それだけその印象は、忘れられない強烈なものだったということだろう。

 この「女性歌手」とは、いうまでもなく山口百恵である。そしてマイクを置いた舞台となった最後のコンサートが日本武道館で開かれたのが、1980年10月5日。ちょうど40年が経ったことになる。そんな節目でもあり、2020年10月3日にはNHKのBSプレミアムでそのときの模様が特別番組として放送された。

日本武道館で開かれた「さよならコンサート」で涙をぬぐう歌手・タレントの山口百恵さん。所属するホリプロダクション(現:ホリプロ)が10月15日に開く創立20周年パーティーで正式に引退を表明し、11月19日に俳優の三浦友和さんと結婚する=1980年10月5日拡大日本武道館で開かれた「さよならコンサート」で涙をぬぐう山口百恵=1980年10月5日

 このように、彼女はいまだに折に触れて思い出され、引退後ほとんど表舞台には出てこないこともあってその存在は伝説化もしている。ただここでは、「山口百恵」という存在を“時代”のなかに改めて置き直してみようと思う。そしてそこから、現在に通じる可能性を見出してみたい。

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筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)。最新刊は『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)。

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