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鈴木杏インタビュー/下

演劇は命に触れているんだと感じた

橘涼香 演劇ライター


鈴木杏インタビュー/上

共演者の演劇愛に痺れる

──共演者の皆さんについてはいかがですか?

 きいちゃん(北乃)が本当に「ときたまご」にピッタリなんです!キラキラしていて、自分のことを「可愛い」って言ってる台詞が嫌味なく本当に可愛いので、ずっとぶりっ子していて下さい!と思います(笑)。そういうメンタリティーの人が現実に傍にいたらちょっと…と思ってしまうかも知れないのに「本当に可愛いよね!」と、見ていられる彼女の魅力ってすごい!と改めて思っています。とても真面目で、台本が真っ黒になるくらい書きこみもしているんですが、本人がパーンと発光していて。実年齢は二歳くらいしか変わらないのですが、十代の頃なら持っていたかも知れない、と思える発光の仕方を未だに持っている、その魅力の鮮度が凄いと思います。加治(将樹)さんと矢崎さんとはほぼほぼ同い年で。加治さんが早生まれで同じ学年になるので、とても大きな安心感がありますね。

拡大鈴木杏=岩田えり 撮影

──そういう現場はこれまでには?

 あまりなかったのでとても新鮮です。その上に個人的には今井(朋彦)さんや、手塚(とおる)さん、壌(晴彦)さん、等々皆さんのお芝居を見ることができる贅沢さをひしひしと感じながら稽古場にいます。

──ベテランの方々から得るものが大きい?

 「あのムードはどうやったら出せるの?あのムードが欲しい!」と思ってずっと見ています。どこか盗めるところはないかな?と思うんですけど、存在そのものが魅力的だし、演劇への深い愛をお持ちなので痺れます。「カッコイイ!」って思います。

人としても、芝居をする人間としても導かれてきた

拡大鈴木杏=岩田えり 撮影

──鈴木さんはこれまでに名だたる演出家の方々の舞台に立ち続けてきていますが、そこから得て来たものや、引き出されてきたものも多く感じられていますか?

 もうそれしかないんじゃないかという感じです。演出家の方によって世界観も全く違いますし、その人が見ている景色も違うので、そこを点々と回り周ってずっと過ごしてきたので。やっぱり蜷川(幸雄)さんと栗山(民也)さんとケラさん(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)では全然違うし、小川(絵梨子)さんとフィリップ(ブリーン)、もちろん今回のプルカレーテさんとでは全く違いますが、でも皆さん天才で。そこをぐるぐる回らせて頂いているので、本当に幸せだと思ってます。

 映像を含めるともっと前からになりますが、私はとても多感な時期から演劇の世界にいて、そういう方々の才能を浴びて育っているので、その方達から見せてもらった世界と、引き出されたものでしか私は形成されていないと思います。演じるということだけではなくて「どういう生き方をしていけば良いのか?」というところまで、その方達の背中を見て育ってきたので…、蜷川さんの影響は特に大きいと思いますが、人としても芝居をする人間としても、導かれてきたと感じています。

◆公演情報◆
拡大『真夏の世の夢』
東京芸術祭2020 東京芸術劇場30周年記念公演
『真夏の夜の夢』
東京:2020年10月15日(木)~11月1日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
新潟:2020年11月7日(土)・8日(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
松本:2020年11月15日(日) まつもと市民芸術館 主ホール
兵庫:2020年11月20日(金)~22日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
札幌:2020年11月27日(金) 札幌市教育文化会館 大ホール
宮城:2020年12月5日(土) えずこホール(仙南芸術文化センター)大ホール
公式サイト
公式Twiter 
[スタッフ]
原作:ウィリアム・シェイクスピア 小田島雄志訳「夏の夜の夢」より
潤色:野田秀樹
演出:シルヴィウ・プルカレーテ
[出演]
鈴⽊杏 北乃きい 加治将樹 ⽮崎広
今井朋彦 加藤諒 ⻑⾕川朝晴 ⼭中崇 河内⼤和 ⼟屋佑壱 浜⽥学 茂⼿⽊桜⼦ ⼋⽊光太郎
吉⽥朋弘 阿南健治 朝倉伸二 ⼿塚とおる 壤晴彦
 
〈鈴木杏プロフィル〉
 1996年にTVドラマデビュー。以後、テレビ、映画、舞台などで活躍の場を広げる。2003年に『奇跡の人』で初舞台を踏む。2012年に映画『軽蔑』にて第26回高崎映画祭最優秀主演女優賞、2016年に『イニシュマン島のビリー』、『母と惑星について、および自転する女たちの記録』にて第24回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞など受賞歴多数。主な舞台出演作は『殺意 ストリップショウ』、『キレイ-神様と待ち合わせた女-』『フローズン・ビーチ』など。
公式インスタグラム

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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

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