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小児性犯罪で懲戒免職となった教師には免許状を再発行すべきではない

児童・生徒を教師の性犯罪からいかに守るか

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

学校内性暴力の深刻さ

 教師による児童・生徒に対する性犯罪が、たびたび報じられている。

 例えば1990年度に同上の理由で懲戒免職になった公立小中高校の教師は3人だったが、2012年度には119人、2018年度には163人に達している(朝日新聞2020年9月29日付;池谷孝司『スクールセクハラ――なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか』幻冬舎文庫、no.36〔本書は電子書籍のため一定字数ごとに付された「no.」を記す、以下同じ〕)。

 犯罪数が増加したというより、学校・教委が当然の対応をとるようになった結果であろうが、いずれにせよ子どもの生涯にわたる重大な後遺症を思うと、これは深刻な事態である。

ChameleonsEyeshutterstock拡大教師によるわいせつ行為(性犯罪)は、後々まで子どもたちの心に影響を与える ChameleonsEye/Shutterstock.com

 しかも性犯罪は暗数が多いことが知られており、実数ははるかに大きいと考えられる。一人の性犯罪者が生涯に生む被害者は平均380人だという研究があるが、小児性犯罪者の場合、被害者数はその3倍にはなるという、加害当事者の衝撃的な発言が伝えられている(斉藤章佳『「小児性愛」という病――それは、愛ではない』ブックマン社、no.886)。

 これは、小児性犯罪の発覚しにくさを示している。犯罪者は、被害者を手なずけ、言いくるめ、口止めし、犯行が露見しないよう周到に行動する。

 こうした深刻な事態が明らかになっているだけに、教師を含む各種指導者のうちに潜在する小児性犯罪者の問題に、真剣に取り組まなければならない。

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筆者

杉田聡

杉田聡(すぎた・さとし) 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

1953年生まれ。帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)。著書に、『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『逃げられない性犯罪被害者——無謀な最高裁判決』(編著、青弓社)、『レイプの政治学——レイプ神話と「性=人格原則」』(明石書店)、『AV神話——アダルトビデオをまねてはいけない』(大月書店)、『男権主義的セクシュアリティ——ポルノ・買売春擁護論批判』(青木書店)、『天は人の下に人を造る——「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『カント哲学と現代——疎外・啓蒙・正義・環境・ジェンダー』(行路社)、『「3・11」後の技術と人間——技術的理性への問い』(世界思想社)、『「買い物難民」をなくせ!——消える商店街、孤立する高齢者』(中公新書ラクレ)、など。

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