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檀家はお寺に黙るしかない

[2]対等性を欠いた制度が抱える構造的な矛盾

薄井秀夫 (株)寺院デザイン代表取締役

イメージの悪い檀家制度

 現代の仏教を語る上で、檀家制度という仕組みに触れないわけにはいかない。檀家制度というのは、お寺と仏教徒の関係性そのものであり、お寺の運営の基盤となっている仕組みでもある。

 ところが、この檀家制度というもの、世間ではとても評判が悪い。

 よく言われるのは、檀家になると相当にお金がかかるということだ。定期的に寄付を強制されるとか、葬式をする時に何百万円も戒名料を取られるといった噂を皆さんも聞いたことがあるだろう。

 確かに檀家になると、ある程度はお金がかかる。しかし、ほとんどのお寺は常識の範囲内でしかお金がかかることはなく、上記のようなお寺はほんの一握りに過ぎない。

SAND555UG/Shutterstock.com拡大SAND555UG/Shutterstock.com

 ただこの悪いイメージは、まったくいわれの無いことというわけではない。

 それは檀家のかなりの割合が、心理的なプレッシャーを大なり小なりお寺から感じているからだ。例えば、葬儀の時にお布施をいくら包めばいいのか教えてくれない、自由意思で行うはずの寄付が「しなくてはならない」雰囲気になっている、檀家を辞めようとしても簡単に辞められないなど、いろんなところでプレッシャーを感じている。やっかいなのは、ほとんどがブラックボックス化し、無言の抑圧となっていることである。

 もちろんお寺側は能動的にプレッシャーを与えているわけではない。そうしたプレッシャーをかけていることにうすうす気づいてはいるが、それはお寺として正当な理由があると考えていて、傍観しているだけである。そしてこうした受け止め方のズレが生じるのは、檀家側の認識不足に原因があるとも考えている。

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筆者

薄井秀夫

薄井秀夫(うすい・ひでお) (株)寺院デザイン代表取締役

1966年生まれ。東北大学文学部卒業(宗教学専攻)。中外日報社、鎌倉新書を経て、2007年、寺の運営コンサルティング会社「寺院デザイン」を設立。著書に『葬祭業界で働く』(共著、ぺりかん社)、 『10年後のお寺をデザインする――寺院仏教のススメ』(鎌倉新書)、『人の集まるお寺のつくり方――檀家の帰属意識をどう高めるか、新しい人々をどう惹きつけるか』(鎌倉新書)など。noteにてマガジン「葬式仏教の研究」を連載中。