仕事とバンド活動の両立
the 原爆オナニーズは、名古屋のパンク・シーンを代表する古株バンドであるTHE STAR CLUBのメンバーだったEDDIEと、メンバーの友人でマネージャー志向のTAYLOWを中心に結成された。以後、メンバー・チェンジを重ねながら38年間にわたって活動を続けてきたのである。
のちにザ・スターリンやBLANKEY JET CITYに参加する中村達也や、Hi-STANDARDの横山健が在籍したことでも知られ、海外からの評価も高い。
強烈なインパクトを持つバンド名は、セックス・ピストルズを意識したもの。“原爆”“オナニー”という単語を用いたことの背後には、「バンド名に嫌悪感などの反応を持ち、核・反戦について問題提起ができればいい」という思いがある。

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現在のメンバーはTAYLOW(Vocal)、EDDIE(Bass,Vocal)、JOHNNY(Drums)、SHINOBU(Guitar)の4人。結成以来一貫して、地元である愛知に拠点を置いているが、彼らにはもうひとつ大きな特徴がある。
結成当初からプロになることを目指さずに定職を持ち、TAYLOWとEDDIEが60歳を過ぎた現在でも、仕事とバンド活動を両立させている点だ。つまり「音楽だけで食っていくべきだ」というような思考性とは正反対の考え方を持っているのである。
この点についてTAYLOWは、「生活とバンドは別と最初から割り切っているので
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