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大野拓朗インタビュー/下

一度きりの人生を大切にしたい

橘涼香 演劇ライター

大野拓朗インタビュー/上

より役の精度を高められるダブルキャスト

──レオ役は吉沢亮さんとのダブルキャストですが、大野さんはこれまでにもダブルキャストでひとつの役柄を務めた経験も多い中、お二人でレオ役を演じることについては?

 やっぱり一緒にやることによって、レオ役を客観的に観られるのはありがたいです。吉沢君が演じているのを見て、なるほどこう動くとこう見えるのか!という発見もありますし、だったら自分はこうしてみようかな?というアイデアも生まれたり、ここは同じ形で取り入れさせてもらおうなど、二人でレオという役を完成形に持っていける。それによってシングルで演じた時よりも、より精度の高いものになるのではないかと思っています。もちろん吉沢君の演技を見て、自分ももっと頑張らなければとある意味で焦る時もありますし、更に焚きつけられるものもあって。だから僕は、ダブルキャストがとても好きですね。

 吉沢君は元々ナチュラルなお芝居をされる方なので、それがレオの「普通の人」なところにすごくマッチしていますし、彼の身長からくる可愛らしさがとっても良いんです。その雰囲気を僕も参考にさせて頂いています。とても魅力的な可愛いレオになっていますね。

拡大大野拓朗=森好弘 撮影

──ではお二人のレオの違いも楽しめるのですね?

 芳雄さんと吉沢君、芳雄さんと僕という組み合わせの妙も感じて頂けると思います。その上で、今までダブルキャストで演じさせて頂いた方々よりも、吉沢君と僕は役の作り上げ方が似ているなと感じるのがすごく面白いです。今までのダブルキャストの方々とは、俳優として元々持っている個性が正反対だったりしたので、どう一緒に演じても全く違うものになったのですが、吉沢君とは共通の方向性をより感じていて。それがこれから稽古を重ねて深まっていくとどう変わっていくのか、どういう違いが出てくるのか、僕自身も楽しみにしていますし、新たな感覚だなと思っています。

後悔しない人生を送りたい

──また今回は、共演者の方々も豪華な顔ぶれですね!

 そうでしょう? 僕もこれまでずっとファンでした!という方々がたくさんいらっしゃるのがとても幸せで。吉野圭吾さんはずっと憧れの人でしたし、佐藤二朗さんも大好きな俳優さんで、映像では共演させて頂いているのですが、舞台でご一緒するのは初めてなのでワクワクします。春風ひとみさんは僕のデビュー作の時にとても良くしてくださって、たくさんのアドバイスを頂いたので、少しでも成長しているところを見て欲しいと思います。デビューの時から一緒の晴香(木下)や、達成(木村)もいますので、僕にとっては最高の、刺激的で楽しい現場です。

拡大大野拓朗=森好弘 撮影

──そんな舞台に向かっている大野さんですが、先ほどもお話しくださいましたが、事務所を離れてフリーになり、ニューヨークに留学されるという大きな決断をされました。

 自分の人生を大切にしたかったんです。自分の気持ちや思い、夢や目標、そういったものを大切に生きていきたいなと。本当にありがたいことにたくさんのお仕事をさせて頂いてきましたが、一方で目の前の忙しさに追われて、自分を高める作業を怠っているんじゃないかと。例えば、学生時代からずっと、英語が話せるようになりたかった。でも話せないまま30歳になっていて、それでは一度きりの人生がもったいないと思いました。絶対に話せるようになる!その為にもアメリカに行こう!と。

──とても高い志だと思いますが、実際に行動を起こしてみた今は?

 行く前に感じていた一度きりの人生を大切にしたいという気持ちは、実際にニューヨークに行って、より強く感じるようになったと思います。マンハッタンって、夢を叶えようとしている人が集まる場所なんです。ビジネスの世界でも挑戦者たちがたくさんいる。その環境に身を置くことで、より気持ちが固まりましたし、世界中どこでも生きていけるぞ!という自信もついたと思います。それは本当に今回のレオ役に通じていて、毎日毎日数字漬けになっていても、所詮他人の数字でしかない。そんな人生でいいのか?いや、僕の人生はこんなものではないはずだ!と「マックスさん、僕プロデューサーになる!」と言うところから始まる作品なので、まさに同じ心境ですね。後悔しない人生を送りたいんです。

◆公演情報◆
ミュージカル『『プロデューサーズ』
2020年11月9日(月)~12月6日(日) 東急シアターオーブ
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本:メル・ブルックス/トーマス・ミーハン
音楽・歌詞:メル・ブルックスオリジナル
振付:スーザン・ストローマン
日本版振付:ジェームス・グレイ
演出:福田雄一
[出演]
井上芳雄、吉沢亮、大野拓朗、木下晴香、吉野圭吾、木村達成、春風ひとみ、佐藤二郎 ほか
 
〈大野拓朗プロフィル〉
 2009年、第25回ミスター立教に選出される。2010年、映画『インシテミル〜7日間のデス・ゲーム〜』で俳優デビュー。映画、テレビなどを中心に活躍しながら、2012年『エリザベート』ルドルフ役でミュージカルデビュー。2017年には『ロミオ&ジュリエット』ロミオ役でミュージカル初主演を果たす。2019年12月からは俳優修業のため単身渡米。
オフィシャルウェブサイト
公式twitter
公式instagram

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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

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