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平間壮一が『RENT』マーク役で出演/上

ニューヨークの若者たちを描くブロードウェイミュージカル オリジナル演出版で上演

大原薫 演劇ライター



 ミュージカル『RENT』が上演される。

 『RENT』は脚本・作詞・作曲のジョナサン・ラーソンがオペラ『ラ・ボエーム』を下敷きに、ニューヨーク・イーストヴィレッジに生きる若者たちの姿をリアリティを持って作品に映し出したミュージカル。ラーソンは7年の歳月をかけて創作したが、1996年のプレビュー初日前日に急逝する。現代的でパワフルな楽曲、そして「NO DAY BUT TODAY(未来も過去もない、大切なのは今この瞬間だけ)」というメッセージがミュージカルに馴染みがない人々から共感を受け、ブロードウェイで12年のロングランとなった。

 日本でも繰り返し上演されているが、マイケル・グライフによるオリジナル演出版(日本版リステージ アンディ・セニョールJr.)で上演されるのは今回で4演目となる。

 この度、マークを演じる平間壮一。『RENT』には2015年、2017年とエンジェル役で出演し、今回は初めて映像作家のマーク役を演じることになった。『RENT』に寄せる熱い思いと意気込みを聞いた。

人間が生きている力を信じようと投げかける『RENT』のメッセージ

拡大平間壮一=岩田えり 撮影

――平間さんは『RENT』では過去2回、ストリートドラマーでエイズによって亡くなるエンジェル役を演じましたが、今回マーク役を演じて作品の見え方は変わりましたか?

 マークを演じている今は、エンジェルのときとはだいぶ違う感じがします。ただ、今は1幕の稽古が終わって2幕の稽古が始まったところなのですが、1幕の段階ではマークもエンジェルもポジティブな方向に向かって頑張っているところなので、それほど大きな差はないかもしれない。2幕の稽古に入って、終盤に向かってどう変化していくか。みんなの関係が崩壊してバラバラになっていくところで、マークの心はどう変わっていくんだろうと思っていますね。そして、物語の最後に全員の顔を見るとき、何を感じるのかなと想像しながら、今は稽古に取り組んでいます。

――現在の稽古はどのように進んでいますか。

 アンディと(振付補の)マーカス(・ポール・ジェームズ)が(コロナ禍で)来日できなくて、zoom画面越しに演出を受けているんです。みんなにとっても初めての経験なので、もがきながらやっていますね。目と目を合わせて伝えても画面越しでは意図が伝わらない部分があって、いつもよりも時間をかけて稽古しているので難しいです。今の段階では、こっちが感じている生の空気感が画面の向こう側に伝わっているんだろうかという不安があって。でも、「やらねばいかん!」と思いながら、取り組んでいるところです。

拡大平間壮一=岩田えり 撮影

――日本版リステージのアンディはこの夏、韓国での『RENT』を演出した際、自身のYouTubeチャンネルに「ニューヨークで多くの命を奪った新型コロナウィルスが流行する時代は、80年代のエイズ危機を彷彿させるものとなっている。今は『RENT』を上演する絶好の機会だ」と語っていました。

 そうですね……この時代にやらなければいけないという明確な答えは思い浮かばないんですけど、『RENT』の舞台はエイズが流行して人間が不安な気持ちでいる中で差別も起きたりしていた時代。そんな中でも人間が生きている力を信じようよというメッセージが今の時代にも訴えかけるものがあったらいいなという気持ちはあります。ただ、自分自身の正直な気持ちで言うと、コロナとは関係なく『RENT』という作品が素晴らしいから観に来てもらいたいという思いでいますね。

◆公演情報◆
ミュージカル『RENT』
東京:2020年11月2日(月)~12月6日(日) 日比谷・シアタークリエ
愛知:12月11日(金)~12月12日(土) 愛知県芸術劇場 大ホール
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本・作詞・音楽:ジョナサン・ラーソン
演出:マイケル・グライフ
[出演]
マーク:花村想太/平間壮一(Wキャスト)
ロジャー:堂珍嘉邦(CHEMISTRY) /甲斐翔真(Wキャスト)
ミミ:遥海/八木アリサ(Wキャスト)
コリンズ:加藤潤一/光永泰一朗(Wキャスト)
エンジェル:RIOSKE (COLOR CREATION) /上口耕平(Wキャスト)
モーリーン:フランク莉奈/鈴木瑛美子(Wキャスト)
ジョアンヌ:宮本美季
ベニー:SUNHEE/吉田広大(Wキャスト)
ICHI コリ伽路 奈良木浚赫 小熊綸 吉田華奈 吉原シュート
※ベニー役:SUNHEEは、11月20日以降の出演に向けて準備を行っておりますが、新型コロナウィルス感染拡大に伴う入国制限により来日が叶わずやむを得ず出演者が変更となる可能性があります。

〈平間壮一プロフィル〉
 2007年、舞台「FROGS」でデビュー。高度なダンススキルを武器に多くの演劇作品に出演。2015・2017年、ミュージカル「RENT」ではエンジェル役で出演。2017年、劇団☆新感線「髑髏城の七人~Season月《上弦の月》」では迫力あるアクションで観客を魅了。2018年の舞台「Indigo Tomato」ではサヴァン症候群の青年という難役で主演を務め、好評を集め翌年には再演も実現した。
公式ホームページ
公式twitter
公式instagram

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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