前田和男(まえだ・かずお) 翻訳家・ノンフィクション作家
1947年生まれ。東京大学農学部卒。翻訳家・ノンフィクション作家。著作に『選挙参謀』(太田出版)『民主党政権への伏流』(ポット出版)『男はなぜ化粧をしたがるのか』(集英社新書)『足元の革命』(新潮新書)、訳書にI・ベルイマン『ある結婚の風景』(ヘラルド出版)T・イーグルトン『悪とはなにか』(ビジネス社)など多数。路上観察学会事務局をつとめる。
【29】高倉健「唐獅子牡丹」
異様な雰囲気に違和感をおぼえたのは最初だけだった。義理と人情の板挟みの中で忍従する高倉健演じる花田秀次郎を、金子信雄演じる外道の親分が数を頼んでいびろうとすると会場から「ナンセーンス!」の声。やがて忍従もこれまでと単身殴り込みを決意した高倉健を、池部良演じる風間重吉が途上で待ち受け、「秀次郎さん、ずいぶん待ちましたよ」といって唐傘をさしかけて大団円の決闘の場へ。そこへ高倉健がうたう「♪♪浅草(えんこ)生れの浅草育ち・・・」の主題歌が流れると、どうやって持ち込んだのかヘルメットをかぶり直した〝学友諸君〟から「異議なーし!」の
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