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苦痛を緩和できる方策をどれだけ探せるかが問われている

聖隷三方原病院緩和支持治療科部長(副院長)・森田達也医師に聞く

鈴木理香子 フリーライター

治療を中止できるために法制度化を

sfam_photo/Shutterstock.com拡大sfam_photo/Shutterstock.com

――安楽死について、森田さんの意見を聞かせてください。

森田 是非の前に、安楽死や自殺幇助についての議論は、苦痛の緩和や治療中止に関する議論が終わらないとできないと思っています。

――治療中止というのは、尊厳死のことですか?

森田 僕は、「尊厳死」という言葉は使わないほうがいいと思っています。あくまでも行為としての治療中止、英語でいう“withholding or withdrawal of life sustaining treatment”です。厚生労働省は「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を出していますが、現行法上はファジーなまま。現場に任せっぱなしにせず、法制度化すべきだと考えます。ガイドラインに沿って治療を中止すれば起訴されないことになっていますが、その場合でも捜査が入ることはないのか、など現場で悩むことは多いです。

――確かにそういう状況では治療中止はむずかしいです。

森田 現場の医師が治療中止を拒むとしたら、その大きな理由は法制度化されていないからです。はっきりと「白」と言えないなら、治療をやめたら何らかの問題になるかもしれない。だから踏み出せないでいます。ですから、僕は治療中止に関してはしっかりと法制度化し、「白」ということで話がまとまってほしい。事実、英語圏の専門書には、「治療中止は完全に合法である(completely legal)」と記載されていて、違いを感じます。

 さらに、こういう状態は患者さん側にとってもよくない面があります。

――どういうことでしょうか。

森田 「治療を始めたら中止できませんが、それでも始めますか?」

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筆者

鈴木理香子

鈴木理香子(すずき・りかこ) フリーライター

TVの番組製作会社勤務などを経て、フリーに。現在は、看護師向けの専門雑誌や企業の健康・医療情報サイトなどを中心に、健康・医療・福祉にかかわる記事を執筆

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです