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劇場の『ビリー・エリオット』、観客とともに

プロデューサーがつづる公演の歩み⑤【完】

梶山裕三 ホリプロ ファクトリー部副部長

 ミュージカル『ビリー・エリオット』はいくつもの困難を乗り越えながら、東京公演を無事終え、大阪へ向かいました。その歩みをプロデューサーが振り返る連載の最終回、いよいよビリーが劇場に入ります。
 前回まではこちら、1回目2回目3回目4回目

スタッフ150人のPCR検査、オケピットは8LDK

拡大赤坂ACTシアター。戸外へ開いたグッズ購入コーナーでも観客は距離をとって並んだ
 東京公演の会場である赤坂ACTシアターでの作業が始まった。劇場にセットを建て込む期間は、大道具、照明、音響など、各セクションのスタッフが150人以上劇場に出入りする。劇場に入る前に、全員にPCR検査を受けていただき、全員が陰性であった。すべてのスタッフがしっかりと感染予防してくださっていたことに、感謝しかない。

 そして公演期間中、楽屋に出入りできるのはPCR検査を受けた人間のみに限るというルールを作った。本番期間中も同様に、終演後のキャストとの面会も禁止とした。キャストのマネージャーや主催関係者なども、例外を認めなかった。

 さらに、すべての楽屋を抗菌施工 し、外履きから内履きに履き替えるための靴箱を設置、大きな楽屋は1人ずつパーテーションで空間を仕切るなど、万全の態勢を整えた。

拡大仕切りを設けた楽屋

 『ビリー』はオーケストラによる生演奏での上演だ。オーケストラピットで、指揮を兼ねるピアニストを含め9人のミュージシャンが演奏をする。ピアノやギターはマスクをつけながら演奏ができるが、トランペットやフルートはそうはいかない。オーケストラピット内の感染予防も大きな課題だった。いろいろと検証し、実験を重ねた結果、楽器の音質を損なわない材質で仕切りを作り、演奏者1人1人が完全に個室で演奏できるような仕切りを作った。ピット内はまるで8LDKのマンションのようになった。

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筆者

梶山裕三

梶山裕三(かじやま・ゆうぞう) ホリプロ ファクトリー部副部長

1978年名古屋市生まれ。早稲田大学在学中、ミュージカル研究会でオリジナルミュージカル創りに没頭し、卒業後は舞台制作者を志す。2001年吉本興業に入社。「よしもと新喜劇」の制作などを経験した後、06年ホリプロに入社。多くの舞台のプロデュースを手掛ける。近年は「日本から世界へ発信する」との目標を掲げてオリジナルミュージカルに取り組み、15年初演「デスノート THE MUSICAL」は、日本で大ヒットした後、韓国人キャストによる韓国公演も実現、ホリプロ作品として初の海外ライセンス上演を果たした。18年には黒澤明監督の代表作「生きる」を世界で初めてミュージカル化。20年10~11月に東京、富山、兵庫、福岡、愛知で再演される。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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