日本人はアレンジ上手?
2020年10月31日
「やっぱり、こう来たか!」
ハロウィンまであと数日という、郊外のショッピングモールで、このツリー(!?)(写真1)に遭遇した瞬間、そう思った。
見ていただいてお分かりの通り、形はクリスマスツリー、オーナメントはハロウィン、そしてカボチャの形をした短冊がたくさん吊されているハロウィンツリーが遂に(やっぱり)登場したのだ。
何年か前に短冊がぶら下がっているクリスマスツリーを近くのスーパーで見かけた時に、「そう来るか!」と唸ったのだが、その時はまだ「確かに七夕もクリスマスも“木にいろいろ吊す”という共通点があるよね」とそれなりに納得したのであるが、今回のハロウィンツリーにはそれを超える驚きがあった。
おそらく、「ハロウィン」と聞くとある年齢以上の人は、「フリーズ」という言葉を理解することができなかったとして誤って射殺されてしまった日本人留学生の事件のことを思い出すであろう。あれは、今から遡ること約30年も前のことである。1992年に起きたこの悲しい事件でハロウィンなるものを知った人も少なくない。それからしばらく、日本人にとってハロウィンは怖いイベントというイメージがあったように当時の自分も記憶している。
それから4年後の1996年夏に私自身がアメリカの大学に留学し、初めてのハロウィンの日を何の準備もすることなく迎えた。街中では、大きな、そう、人の頭の2倍、3倍もありそうなカボチャがスーパーの外に山のように積まれ、そういう大きなカボチャがおなじみのヒトの顔にくりぬかれて個人の家の外にも置かれていた。そうかと思うと敬虔なクリスチャンの友達は「あんなのは、悪魔のお祭りだから祝いません!」と憤っていたりと、初めて見るリアルハロウィンの雰囲気で包まれる街を不思議な気持ちで見ていた。
ハロウィン当日、学生としてはごく普通の賃貸アパートに住んでいた私は、先の事件のこともあって外に出るのはちょっと怖いし、特段関係ないよね、と普段通り家で過ごしていた。すると、
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