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「鬼滅の刃」と「半沢直樹」は新しい日本の祭りである

登場人物の強い言葉、強敵を倒すカタルシスが歓迎されて

ペリー荻野 時代劇研究家

 「鬼滅の刃」の勢いが止まらない。

 原作コミックの累計発行部数は22巻で1億部を超え、先日公開された新作映画『劇場版 「鬼滅の刃」 無限列車編』は、日本映画史上最速で興行収入100億円を突破(公開24日で200億円超)。さまざまなコラボ企画もあり、コンビニのおにぎり、菓子、カップラーメン、「くら寿司」、スニーカー「瞬足」、複数の女性誌などなど。日本郵政はコラボ年賀状で、年賀状離れに歯止めをかけようという作戦らしい。

「鬼滅の刃」の年賀はがき=日本郵便提供拡大「鬼滅の刃」の年賀はがき=日本郵便提供
「チキンラーメン」も「鬼滅の刃」のデザインに。品切れの店もあるという=日清食品提供 拡大「チキンラーメン」も「鬼滅の刃」のデザインに=日清食品提供

 これほど幅広くコラボ商品がある作品も珍しい気がするが、映画を配給した東宝の株は高騰し、その経済効果は2000億円を超えるとの説もある。菅総理が国会の場で「鬼滅」用語を使って「全集中の呼吸で答弁させていただく」と発言したのもびっくりした。

 そんな中、私は先日、京都南座で開催されている「『鬼滅の刃』×『京都南座 歌舞伎ノ舘』」展を取材した。そこで感じたのは、「鬼滅の刃」は、ブームとか大ヒットというより、「新しい日本の祭り」になっているということだ。

「鬼滅の刃」×「京都南座 歌舞伎ノ館」展 Ⓒ吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable ⒸSHOCHIKU拡大「鬼滅の刃」×「京都南座 歌舞伎ノ舘」展 Ⓒ吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable ⒸSHOCHIKU

筆者

ペリー荻野

ペリー荻野(ぺりー・おぎの) 時代劇研究家

1962年、愛知県生まれ。大学在学中よりラジオパーソナリティを務め、コラムを書き始める。時代劇主題歌オムニバスCD「ちょんまげ天国」のプロデュースや、「チョンマゲ愛好女子部」を立ち上げるなど時代劇関連の企画も手がける。著書に『テレビの荒野を歩いた人たち』『バトル式歴史偉人伝』(ともに新潮社)など多数。『時代劇を見れば、日本史はかなり理解できる(仮)』(共著、徳間書店)が刊行予定

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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