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子供も大人も楽しめる雅楽を。伶楽舎が第50回ENEOS音楽賞邦楽部門を受賞

かつての音をだた復元するのではなく、今の私達が愉しめる音をめざして

堀川登志子 劇作家、演出家、唄浄瑠璃狂言作家、芸能評論家

古典と新曲を一緒に公演

――これからも受け継いでいくものは。

 「公演した芝先生の作品だけでも150曲以上あります。他にも委託曲や古曲もありますので、ちょっと数えきれません。芝先生が私達によくおっしゃっていましたのは、他の人達がやっていないことをすることが大事だということです。伶楽舎では、必ず古典と新曲を一緒に公演しています」

――筆者も伶楽舎の演奏は何度も聴いています。古曲には風雅があって、そよそよと吹きすぎていくような、日常の喧噪を忘れてしまえる心地よさを感じます。そして新曲の、雅楽の固定観念を離れて斬新さを感じさせる妙趣は、まだ聴いてない方には是非聴いて欲しい美しい音色です。

 「新曲は他の邦楽器を用いるなど、雅楽の形式に留まらない音楽性溢れる世界です」

拡大伶楽舎=平舘平撮影、伶楽舎提供
拡大伶楽舎=平舘平撮影、伶楽舎提供

音を復元するだけでなく曲のイメージを大事に

――雅楽は決まった型があると思っていたけれど即興演奏も可能なのですか?

 「わりと自由に演奏できます。残り楽といいまして、平安時代から即興で演奏もされていました。平安時代は女性も雅楽の演奏を楽しんでいました」

――自由に、ジャズのセッションのように楽しんでいたということ。

 「宮内庁の雅楽部は古曲の継承ということがありますので新曲が演奏されることはありませんし、今でも男の方しか採用になりません。伶楽舎は女性の演奏家も多いので、それも特徴といえます」

――伝統芸能は男社会というイメージは強いけれど、女性の活動に支えられています。宮中、神社、仏閣の儀式楽として守られてきた雅楽ですが、女性演奏家の活動の場として伶楽舎の存在は大きく、失われてしまった古曲の復元にも力をそそぎます。

 「古譜からそのまま復元されるのが普通ですが、芝先生は演奏家でもいらっしゃいましたから、音をただ復元させるだけではなく、今の私達が愉しめる音でなくてはいけないと曲のイメージを大事にされていました」

拡大伶楽舎=伶楽舎提供

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筆者

堀川登志子(堀川梅左)

堀川登志子(堀川梅左)(ほりかわ・としこ(うめざ)) 劇作家、演出家、唄浄瑠璃狂言作家、芸能評論家

梅左事務所代表。劇作家、演出家、唄浄瑠璃狂言作家、芸能評論家。社)国際演劇協会会員。矢の会会員。「作者部屋」同人。日本脚本家連盟脚本家養成科、研修科卒。国立劇場新作歌舞伎戯曲清栄会奨励賞、世田谷文学賞などを受賞。梅左のペンネームにて伝統芸能評論の他、シアターΧ提携公演にて新作の邦楽による音楽劇を主宰。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです