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私はこの音楽といつも一緒にいた

 次は、曲目をどうするか。

 私は、韓国の打楽器、チャング奏者で活動をしているが、実は高校大学と専攻は、韓国の横笛、テグムなのである。

 独奏会の持ち時間は、全部でおよそ60分弱くらい。

 テグム独奏、ソヨンソク流テグム散調 15分。

 チャンゴ2曲、三道ソルチャングカラク 15分。

 チャングシナウィ 15分。

 司会を入れて、60分弱である。

 ソヨンソク流 散調。

 わたしは高校大学時、計9年ほど、ソヨンソク流テグム散調を、故ソヨンソク先生から直接師事した。

拡大テグムの師匠 ソヨンソク先生

 散調とは、韓国の唱パンソリを器楽化したもので、独奏曲である。

 三道ソルチャングカラク。

 元祖サムルノリの創始者、キンドクス先生が構成された、湖南地方、嶺南地方と、その他の地方に伝わるプンムル(農楽)チャングの曲。

 チャングシナウィ。

 これは、私が、これまでに研究してきた、チャングのシャーマンのリズムなどを構成して即興で演奏。シナウィとは、国楽用語で即興で演奏する意味。JAZZを意味します。

拡大公演終了後、駆けつけてくださった、サムルノリのキンドクス師匠と一緒に。

 それからは、練習の日々。そしていろいろ思い出しました。

 習いたてだった学生の時を、師匠方たちを。つらかった日々も。

 日本からいきなりやってきて、会話もろくにできなかった私にみんなよくしてくれた。

 確かにその時代の韓国では、日本から来たというだけで嫌な目で見られたりもしたが、けど音楽の稽古となると差別なく対してくださった。

 そして日韓社会の変動、オリンピック、学生デモ、IMF、日韓ワールドカップ、韓流、嫌韓……様々な時代背景を経ながら、私はこの音楽と一緒にいたのだ。

 そう思ったら心が熱くなった。

 おかげさまで独奏会は、とてもいい演奏を終えることができた。

拡大独奏会、演奏終了時。

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筆者

ミン・ヨンチ

ミン・ヨンチ(閔 栄治) ミュージシャン 韓国伝統音楽家

大阪生まれ。幼少の頃からブラスバンドやドラムを経験し、高校から韓国へ。旧李王朝雅楽部養成所であった国立国楽高等学校に入学、ソウル大学音楽学部国楽科卒。1992年サムルノリ競演大会個人部最優秀賞。1992年国楽室内管弦楽団「スルギドゥン」に入団。1993年スーパー・パーカッション・グループ「PURI」創団メンバー。イ・ムンセ(歌手)のテレビ番組にも出演。現在も韓国伝統音楽とジャンルの違う音楽とのコラボレーションに活動中で、2009年に立ち上げた公演「新韓楽」ではジャズとコラボ―レーションした。日韓両国で数多くの公演。アルバム「HANA」(2015年/ユニバーサルミュージック・ジャパン)をリリース。ライブでは日本全国3万人を動員。国楽管弦楽の作曲にも力を入れ、2014年韓国文化芸術委員会で作曲賞受賞。「大衆に楽しんで聞いてもらえる楽曲作り」を目指す。現在、韓国芸術総合大学、梨花女子大学、秋藝芸術大学講師。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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