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『両国花錦闘士』大鶴佐助インタビュー/上

江戸時代から変わらない相撲にはすごくロマンがある

橘涼香 演劇ライター

 

 相撲漫画というジャンルを確立したと高い評価を受けた岡野玲子の「両国花錦闘士」を原作にした舞台『両国花錦闘士』が12月5日~23日東京・明治座で上演される(のち、2021年1月5日~13日大阪・新歌舞伎座、1月17日~28日福岡・博多座でも上演)。

 明治座、東宝、ヴィレッヂ。歴史もカラーも異なる三社から、同じ年齢の男性プロデューサー3名が集い、東京で最も長い歴史を持つ劇場「明治座」を舞台に、先人たちの足跡を尊び、更に未来を見つめながら、ケレン味とスペクタクル感満載のエンターテインメントを作ることを共通の目的とした「三銃士企画」が始動した。その栄えある第一弾公演として上演されるのが、この『両国花錦闘士』なのだ。

 両国・国技館を舞台に、ソップ(やせ)型で美形の力士・昇龍と、アンコ(ぽっちゃり)型の力士・雪乃童という、何もかもが正反対の宿命のライバルを中心に、相撲記者、相撲部屋のおかみさん、更には芸能事務所社長までもが乱れ飛び、どこまでも見目麗しく、ロマンスに彩られた中から浮かび上がる相撲道の真髄が、歌あり、ダンスありのエンターテインメントとして描かれていく。

 このにわかには予測不能の花舞台で、雪乃童を演じる大鶴佐助が、作品のこと、相撲のこと、更には「ライバル」という存在について感じることを語ってくれた。

驚きしかなかった、相撲を舞台にという発想

拡大大鶴佐助=森好弘 撮影〈Hair&Make-up:吉山裕樹(f-me)・スタイリング:石橋修一〉

──この作品へのオファーを受けた時の気持ちはいかがでしたか?

 驚きでしかなかったです。はじめは明治座での公演ということ。演出が青木豪さん、キャストの方々の豪華な顔ぶれ等を聞いただけで「あ、面白そう!」と思ったので「作品の内容はどんなものなのですか?」と伺ったら「相撲の話です」と言われて!「……相撲の舞台?」「それはどういう舞台なの?」と思いました(笑)。

──確かに、意表を突いていますよね。

 それで原作を読んだら何しろ色彩豊かで、人物の心象描写も細かく描かれていたので、「なるほど!これはメチャメチャ面白いな!」と思ったのですが、この2Dを3Dにするには?と、まだその時はどうなるんだろう…という気持ちが強かったです。でも稽古がはじまってみたら、これは僕たち次第ですごく面白くなる、どうにでも創り上げられる舞台だな!と感じたので、豪さん(青木)を信じて、皆で突き進みたい!と思っています。

──台本を読み、更に動きはじめてから、面白い舞台になると確信されたんですね。

細かい芝居部分の立ち稽古はまだですが、これから各々の体づくりなどからはじまって、それぞれのキャラクターが立ち上がってくるでしょう、その時各々がどう刺激し合って、どんな化学反応が起きるのか。その中での相撲でもありますし、歌やダンスもありますから、明治座ならではのケレン味やスペクタクルを含めて、どう肉厚になって、お祭りになっていくのか、今はとにかく楽しみです。

まわしをつけるだけで気が引き締まる

拡大大鶴佐助=森好弘 撮影

──何しろ明治座ですから、様々な舞台機構もありますので、それがどう活かされていくのかな?という期待もありますが、その中で演じる雪乃童についてはいかがですか?

 僕にとっては読めば読むほど自分に近い役柄だなという印象が深まっています。宿命のライバルになる昇龍とは性格も肉体も真逆なので、ライバルでもあり、バディでもあります、互いがどう反発し合いながら役を作っていけるのか?ですね。あとは肉襦袢もつけるんですけど、まわしと髷と襦袢をつけた時の体の在り方で、ずいぶん気持ちも変わってくる、それに立ち稽古に入っていけばどんどん発見が生まれて、試したいこともたくさん出てくるでしょうし、一方でそぎ落とすところもたくさん出てくると思います。まだ、未知の世界ですけれどもワクワクします。

◆公演情報◆
拡大©2020『両国花錦闘士』
『両国花錦闘士』
東京:2020年12月5日(土)~12月23日(水) 明治座
大阪:2021年1月5日(火)~1月13日(水) 新歌舞伎座
福岡:2021年1月17日(日)~1月28日(木) 博多座
公式ホームページ
★2020年12月15日(火) ライブビューイング<全国生中継>開催決定!

[スタッフ]
原作:岡野玲子(小学館クリエイティブ「両国花錦闘士」)
作・演出:青木豪
主題歌:デーモン閣下
[出演]
原嘉孝(ジャニーズJr.)/大鶴佐助、大原櫻子
木村了(特別出演)、入江甚儀、徳永ゆうき、岸本慎太郎(ジャニーズJr.) 、根岸葵海(ジャニーズJr.)
大山真志、橘花梨、加藤梨里香/市川しんぺー、福田転球、伊達暁
紺野美沙子/りょう ほか
 
〈大鶴佐助プロフィル〉
 2005年デビュー。舞台・映画・TVドラマなど数々の話題作に出演し、初々しくも伸びやかで変幻自在の愛嬌にあふれた魅力に、演劇界から注目されている。主な舞台出演作は、『ボクの穴、彼の穴。』『ピサロ』『あれよとサニーは死んだのさ』『エダニク』『MANN IST MANN -男は男だ-』『豊饒の海』『あたらしいエクスプロージョン』など。
公式ホームページ
公式twitter

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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

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