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『エール』の超上手な終わり方。やりすぎないことがとにかく大事!

青木るえか エッセイスト

 終わりよければすべてよし。

 とは朝ドラ『エール』のためにあるような言葉であった。

 『エール』の最終回と、そのひとつ前の回、ご覧になりました? この2回で、数々の「エールに対するいちゃもん」は「もういい、水に流そう」という気持ちになった。

 終わり方、終わらせ方ひとつで、失敗局面も大逆転できる、そのことがよくわかりました、『エール』のラストを見ていて。

 私は『エール』の良い視聴者ではない。なので大量のいちゃもんを抱えていたのです。

 『エール』がダメな朝ドラだというわけではない。ときどき朝ドラに現れる「作品の体をなしていない脚本や演出」(例:『半分、青い。』とか『ウェルかめ』とか……)みたいなことはなく、金も才能も工夫もちゃんと注ぎ込まれた朝ドラであったとは思う。

 でも私はハマれなかった。朝ドラでは珍しい男性主人公モノだが、あの古関裕而をモデルにした古山裕一というキャラがなんか中途半端で、あんまり音楽家っぽく感じられなかったんですよね。「音楽の神様に選ばれた人」感が足りなかったというか。といって「片思いでもいい! 音楽に恋し続ける!」というストーリーでもなかったよなあ。「音楽が好きで好きでたまらない」のと「音楽が湧いて湧いてたまらない」のが、その時々で都合よく出てくるなあと感じてしまった。どうもそのへんがはんぱな感じで。まあ、それは私がそう感じてしまったというだけのことで、ドラマ全体を壊すまでのことではなかったと思うが。

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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

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