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『エール』の超上手な終わり方。やりすぎないことがとにかく大事!

青木るえか エッセイスト

『まんぷく』『風林火山』……終わり方って難しい

「エール」で、主人公の窪田正孝(左)とその妻役の二階堂ふみ=NHK「エール」の公式サイトより拡大「エール」の主人公・古山裕一役の窪田正孝とその妻・音役の二階堂ふみ=NHK「エール」の公式サイトより

 そんな私には、一貫して堂々としていた二階堂ふみ演じる妻の音が主人公に見えてしまい、しかしあの役のキャラがあんまり好きじゃない(同じクラスにいたら仲良くなれない。私が彼女の陰口を言ってる場面が思い浮かぶ)という個人的な理由により、見たり見なかったりしているうちに話がわからなくなってしまった。

 それで見るのをやめてたのだが、ドラマは第二次大戦に突入して、その描き方がすごい、と騒がれていたのでふたたび見てみたところ、裕一がインパールに行って、その腕の中でかつての、音楽への夢を後押ししてくれた恩師が戦死するという場面を見てしまい、「いや〜、いくらお涙頂戴だっていってもコレはねえだろう……」と気持ちが引いてしまい(これが史実だとしたらすごい話だが、やはりこの部分はフィクションだったようで、あらためて「ないわ〜」となった)、ふたたび挫折。

 それでも朝、7時のニュースが終わると始まるので飛び飛びに見ていた程度なのです。良い視聴者ではありえないのです。

 そんな『エール』もついに終わる。あまり感慨もなく、惰性のままに最終週を見ていた。そうしたら、「すべてを水に流す」ほどの見事な終わり方を見てしまった。

 終わり方ってほんとに難しいんですよ。ことに長丁場の連続ドラマの終わり方。ストーリーのたたみ方。形のつけ方。演出としてどういう場面をつくるか。終わり方のセオリーなんていうものは、テレビドラマの歴史の中でちゃんとあるんだろうけれども、なかなか「これだー!」という爽快感や満足感の得られる、すべてを納得できるようなラストは少ない。

 最近、私がハマってた朝ドラというと『まんぷく』ですが、ラストは

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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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