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三浦春馬という才能を大事にしない国――主演作『天外者』公開に寄せて

「イケメン」の押し付けは必要なかった

林瑞絵 フリーライター、映画ジャーナリスト

見かけばかり口にする日本の病

『天外者』(てんがらもん) Ⓒ2020 「五代友厚」製作委員会 
拡大『天外者』(てんがらもん) Ⓒ2020 「五代友厚」製作委員会 

 三浦が出演したテレビ番組を見て気になったのが、周囲からのイメージの押し付けである。彼を「イケメン」あるいは「爽やか」と紹介することが異様に多かったのだ。共演者は「外見のイメージを褒めるのは良いこと」という意識を無条件に共有しているかのようだった。

 しかし、イメージの押し付けは人格無視にも通じる行為だと思う。これは、芸能界に限った話ではなく日本では大変根深い現象だろう。

 昔から高学歴・高収入・高身長を示す「3高」なる言葉が飛び交ってきた。とかく日本人は他人を見かけや属性でカテゴライズし、評価することがコミュニケーションの手段として定着している。ある意味日本的な病だと思うし、差別を生む温床にさえなっているのではないか。少なくともフランスのテレビ番組で、ルックスや属性を前面に出してトークをするという設定は考えられない。一歩間違えば差別行為になることは常識だ(とはいえ、フランスは警察が率先して人種差別をする社会でもあり、また別の根深い問題が存在する)。

 2011年、仏女優のカトリーヌ・ドヌーヴが「徹子の部屋」に出演した回を思い出す。この時、まず黒柳徹子は

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筆者

林瑞絵

林瑞絵(はやし・みずえ) フリーライター、映画ジャーナリスト

フリーライター、映画ジャーナリスト。1972年、札幌市生まれ。大学卒業後、映画宣伝業を経て渡仏。現在はパリに在住し、映画、子育て、旅行、フランスの文化・社会一般について執筆する。著書に『フランス映画どこへ行く――ヌーヴェル・ヴァーグから遠く離れて』(花伝社/「キネマ旬報映画本大賞2011」で第7位)、『パリの子育て・親育て』(花伝社)がある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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