秋篠宮さま「結婚と婚約は違いますから」発言を読み解く
2020年12月14日
とうとう宮内庁長官が、記者会見の席で小室圭さんに「説明責任」を説いた。12月10日、西村泰彦長官は「ご結婚に向けて、(略)説明責任を果たすべき方が果たしていくことが極めて重要と考えています」と言い、果たすべきは小室さんと代理人弁護士だとした。
説明してほしいなら、もっと早く、水面下で交渉すればよかったのではないか。それがうまくいかず、業を煮やしてのことだったか。いずれにせよ小室さんは遠からず、文書を出すのだろう。どんな文書になるかはさておき、「長官にまで叱られた人」になってしまった。よいのだろうか。
事態を急速に動かしたのは、秋篠宮さまが55歳のお誕生日に先立って開いた記者会見だ。延期されている眞子さまの結婚について、「結婚することを認めるということです」と述べたうえで、会見の最後に「結婚と婚約は違いますから」と述べた。最後の一言が余韻というか、解釈の余地というか、そういうものを与えた。
秋篠宮さまのお言葉を単純に解釈すれば「結婚はしてよい、でも『納采の儀』はしない」となる。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、「納采の儀を経ずに婚姻届を出し結婚されることは、前代未聞ですが、起こりうる話です」と「AERA」(12月14日号)で語っていた。
だが、秋篠宮さまが言いたかったのは、そういう手順の話ではないような気がした。あれこれ考え、行き着いたのが「駆け落ちのすすめ」という言葉。秋篠宮さまは眞子さまに駆け落ちを、悲痛な思いですすめている。そう理解した。
もちろん、「二人で逃げて姿を隠す」駆け落ちとは違う。一気に結婚するしかない。そう秋篠宮さまは思っている、と感じたのだ。一気にとは、どういう進め方かはわからない。とにかく「一気に」しか道はない。そんな緊迫感に「駆け落ち」という言葉が浮かんだのだ。少なくとも秋篠宮さまの悲痛さは、西村長官にも届いた。だから動いたのだろう。それが、秋篠宮さまの望みだったのかどうかはわからない。
お誕生日の17日前、結婚を強く希望する眞子さまの「お気持ち」文書が公表された。その際、皇嗣職大夫が「両殿下がお二人の気持ちを尊重された」と記者に説明したが、具体的にはどういうことか。そういう質問に対し、秋篠宮さまは「それは結婚することを認めるということです」と述べた。理由は「憲法にも結婚は両性の合意のみに基づいてというのがあります。本人たちが本当にそういう気持ちであれば、親としてはそれを尊重するべきものだというふうに考えています」だった。
2年前の会見で秋篠宮さまは、「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ、婚約にあたる納采の儀を行うことはできません」と述べている。当然、記者からはそのような状況になっているか、と質問が出た。そのような状況ではないと思う、娘も同じ気持ちだろうとの答えで、いったんこの質問は終わった。
単純なゴーサインではないにしても、認めたならこれからどうなるのと誰もが思うわけで、
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