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『鬼滅の刃』は作者がメディアに出なくても大ヒット

中川右介 編集者、作家

 『鬼滅の刃』の大ヒットの理由については、作品そのものの魅力の解説や、マーケティングの観点からの分析がさまざまになされているが、いずれも後付けのもので、真の答えなどない。

 大ヒットを狙って綿密な計算と計画があったのではなく、大ヒットしてしまったのだ。

 まねしても大ヒットはしない。

 解説も分析も、意味がないとは言わないが、あまり説得力はないと思う。

 この記事では、『鬼滅の刃』がこれまでのマンガ、アニメとは異質な点をいくつか指摘していく。

人気作「鬼滅の刃」が高く積まれた、丸善アスナル金山店のコミックコーナー=2020年12月10日午前10時9分、名古屋市中区拡大『鬼滅の刃』が高く積まれた、丸善アスナル金山店のコミックコーナー=2020年12月10日、名古屋市中区

ブックオフにもない『鬼滅の刃』

 『鬼滅の刃』のコミックスの何がすごいって、ブックオフに売っていないことだ。

 たまたま私が住んでいる地域がそうなのかもしれないが、ブックオフのネットショップを見ても品切れだから、全国的に、同じだろう。

 古書店へ出ないということは、買った人たちがまだ手放さないでいる。あるいは、誰かが売りに出したとしても、すぐに売れてしまうということだ。

 こんなに売れているのに、ブックオフにないのは、いかに愛されているかということでもある。

 こういう例は、あまりないのではないか。

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筆者

中川右介

中川右介(なかがわ・ゆうすけ) 編集者、作家

1960年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2014年まで出版社「アルファベータ」代表取締役として、専門誌「クラシックジャーナル」、音楽書、人文書を編集・発行。そのかたわら、クラシック音楽、歌舞伎、映画、歌謡曲などについて、膨大な資料から埋もれていた史実を掘り起こし、歴史に新しい光を当てる独自のスタイルで執筆。著書は『カラヤンとフルトヴェングラー』『十一代目團十郎と六代目歌右衛門――悲劇の「神」と孤高の「女帝」』『月9――101のラブストーリー』(いずれも幻冬舎新書)、『山口百恵――赤と青とイミテイション・ゴールドと』『松田聖子と中森明菜――一九八〇年代の革命』(ともに朝日文庫)、『戦争交響楽――音楽家たちの第二次世界大戦』『SMAPと平成』(ともに朝日新書)、『歌舞伎 家と血と藝』(講談社現代新書)、『角川映画 1976-1986(増補版) 』(角川文庫)、『怖いクラシック』(NHK出版新書)など50点を超える。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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