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オバマはいかにしてオバマになったか~バラク・オバマ回顧録『約束の地』

初のアフリカ系アメリカ人大統領へと自らを駆り立ててきたものは何なのか

三浦俊章 朝日新聞編集委員

修道僧のように暮らしたニューヨークでの3年間

 大学2年を終えると、東部ニューヨークの名門コロンビア大学に転入する。

  「ニューヨークでの3年間は、ぼろアパートに閉じこもって暮らした。旧友の大半とは縁を切り、悪い習慣も断ち切り、修道僧にように暮らした。本を読み、自分の考えを記し、日記をつけ、大学のパーティーにはほとんど行かず、温かい食事を取ることもまれだった」

 頭の中は大きな問題でいっぱいだった。例えば次のような問題だ。

 「なぜある運動は成功して他の運動は失敗するのか。主張の一部が旧来の政治に認められたとき、それは成功の証しなのか、それとも主張が乗っ取られたということなのか。妥協はどういうときに認められるのか、どのようなときには妥協は裏切りなのか」

 頭でっかちの青年は、1985年にシカゴでコミュニティー活動の世話役の仕事に就いた。

 書物の世界とはまったく違う地平が開け始めた。

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筆者

三浦俊章

三浦俊章(みうら・としあき) 朝日新聞編集委員

朝日新聞ワシントン特派員、テレビ朝日系列「報道ステーション」コメンテーター、日曜版GLOBE編集長などを経て、2014年から現職。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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