ネット進出や海外への発信で、新しい時代へ
2020年12月31日
「ジャニーズ Jr.黄金期」の歴史的意味、そして嵐のデビュー
2020年12月末での活動休止が間近に迫った嵐。大晦日には生配信ライブを開催、さらに『NHK紅白歌合戦』に出場する彼らだが、どのように区切りの時を迎えるのか、いっそう注目の度合いも高まっている。
嵐は1999年11月のCDデビュー以来21年余りにわたって活動し、「国民的アイドル」と呼ばれてきた。ここで一度、その足跡と彼らが残したものを改めて振り返ってみたい。また彼らの活動休止は、やはりジャニーズにとっての大きな歴史的転換点でもある。併せてその観点から、彼らが担ってきたものについて考えてみたい。
「国民的アイドル」と呼ばれるようになって久しい彼らなのでつい忘れがちだが、嵐はさまざまな点で先進的なアイドルだった。
たとえば音楽面では、ラップの導入などがそれに当たるだろう。デビュー曲「A・RA・SHI」(1999年発売)から始まり、ラップを盛り込んだ楽曲は嵐の代名詞でもあった。途中からは、メンバーの櫻井翔が作詞した自作ラップも定番となり、「サクラップ」と称されるまでにもなった。そのあたり、アイドルである彼らがラップの大衆化に果たした役割は小さくない。
またライブでの動員力の凄さもしばしば話題に上る嵐だが、そこでの演出にも先進的な部分がある。
代表的なのは、「ムービングステージ」と呼ばれる演出だ。可動式のステージに乗った嵐が客席の上方などにせり出してくる演出で、嵐のライブ演出も手掛ける松本潤の発案によるもの。そのステージは透明になっていて、真下にいる観客からも歌い踊る嵐の姿が見える仕組みになっている。「ファンとより近いところで」という思いから生まれた演出だが、いまやB'zなどジャニーズ以外の多くのアーティストにも広まっている。
そうした嵐の先進性は、2019年1月の活動休止発表から今日に至る約2年の活動においても発揮されている。
目立ったのは、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください