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嵐は“ジャニーズ”のメッセンジャーとして使命を全うした

ネット進出や海外への発信で、新しい時代へ

太田省一 社会学者

嵐の先進性

 「国民的アイドル」と呼ばれるようになって久しい彼らなのでつい忘れがちだが、嵐はさまざまな点で先進的なアイドルだった。

 たとえば音楽面では、ラップの導入などがそれに当たるだろう。デビュー曲「A・RA・SHI」(1999年発売)から始まり、ラップを盛り込んだ楽曲は嵐の代名詞でもあった。途中からは、メンバーの櫻井翔が作詞した自作ラップも定番となり、「サクラップ」と称されるまでにもなった。そのあたり、アイドルである彼らがラップの大衆化に果たした役割は小さくない。

 またライブでの動員力の凄さもしばしば話題に上る嵐だが、そこでの演出にも先進的な部分がある。

 代表的なのは、「ムービングステージ」と呼ばれる演出だ。可動式のステージに乗った嵐が客席の上方などにせり出してくる演出で、嵐のライブ演出も手掛ける松本潤の発案によるもの。そのステージは透明になっていて、真下にいる観客からも歌い踊る嵐の姿が見える仕組みになっている。「ファンとより近いところで」という思いから生まれた演出だが、いまやB'zなどジャニーズ以外の多くのアーティストにも広まっている。

 そうした嵐の先進性は、2019年1月の活動休止発表から今日に至る約2年の活動においても発揮されている。

 目立ったのは、

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筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)、『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)など。最新刊に『ニッポン男性アイドル史――一九六〇-二〇一〇年代』(近刊、青弓社)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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