2021年01月04日
明けましておめでとうございます。
昨年(2020年)12月、19歳のお誕生日のお姿を雑誌で拝見しました。ゆったりしたパンツとブラウスをお召しになり、愛犬を連れたご様子はほっとさせるような自然な佇まいでした。
こんなふうに手紙を書きだした私を、きっとあなたは不審に思っているでしょうね。
「なあに、この人、誰?」
もちろん、縁もゆかりもない赤の他人です。たまたま昨年暮れに、あなたの曾祖父様(ひいおじいさま)・祖父様(おじいさま)・御父上、すなわち裕仁・明仁・徳仁という三代の天皇に触れた本(『「象徴」のいる国で』)を出した勢いで、あなたにも手紙を書こうと思い立ったのです。
なんのためかって? うーん、ちょっと言いにくいのですが、あなたに少し惹かれているからです。「ファン」という言い方は失礼になるので使いません。あえて言えば、あなたのこれまでの人生に共感を持ち、これからの人生に関心を持っている者です。
共感を持っているのは、あなたがお小さいとき、少々辛い思いをされたと聞いたからです。
2010年3月――学習院初等科の2年生だったあなたは、乱暴な生徒に怯えて学校に行きたくなくなった。あなたの恐怖がどれほどのものだったのか私はよく知りません。だからその後のあなたとあなたのお母様の行動については発言を差し控えます。
関心を持っているのは、あなたには(あなたにも、と言うべきかな)天皇になる可能性があるからです。今から10年以上も前に、その可能性は閉じられそうになったのですが、まったく消えたわけではありません。
昨年夏まで総理大臣を務めていた安倍晋三さんは、女性の天皇や女系の天皇を頭から否定していましたが、風向きは少し変わってきました。菅首相は、新年早々「現状においては、男系継承は最優先にすべきだ」と述べていますが、現閣僚が揃って同じ意見を持っているわけではなさそう(菅さんもかつては容認派だったし)。それになんといっても、国民の大多数は、女性天皇・女系天皇に好意的な気持ちを持っているのです。
あなたご自身は、このあたりのことを、今どんなふうに考えておられるのでしょうか?
ご返事をいただけるとは夢にも思っていませんが、ぜひ19歳のホンネをうかがってみたいと思ってこの手紙を書いています。
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