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愛子さまへの手紙――女性・女系天皇について、どうお考えですか?

菊地史彦 ケイズワーク代表取締役、東京経済大学大学院(コミュニケーション研究科)講師

 明けましておめでとうございます。

 昨年(2020年)12月、19歳のお誕生日のお姿を雑誌で拝見しました。ゆったりしたパンツとブラウスをお召しになり、愛犬を連れたご様子はほっとさせるような自然な佇まいでした。

愛犬「由莉(ゆ・り)」と共に散歩する愛子さま=2020年11月22日午後、赤坂御用地、宮内庁提供拡大愛犬「由莉」と共に散歩する愛子さま=2020年11月22日、赤坂御用地、宮内庁提供
 私は「ああ、ずいぶん大きくなられたんだな」と声に出さずに呟きました。「19歳の女性に向かって“大きくなられた”もないもんだわ」と憤慨されるかもしれませんが、これはあなたの急速な成長に私が追い付けていないからです。どうぞ平にご容赦ください。

 こんなふうに手紙を書きだした私を、きっとあなたは不審に思っているでしょうね。

 「なあに、この人、誰?」

 もちろん、縁もゆかりもない赤の他人です。たまたま昨年暮れに、あなたの曾祖父様(ひいおじいさま)・祖父様(おじいさま)・御父上、すなわち裕仁・明仁・徳仁という三代の天皇に触れた本(『「象徴」のいる国で』)を出した勢いで、あなたにも手紙を書こうと思い立ったのです。

 なんのためかって? うーん、ちょっと言いにくいのですが、あなたに少し惹かれているからです。「ファン」という言い方は失礼になるので使いません。あえて言えば、あなたのこれまでの人生に共感を持ち、これからの人生に関心を持っている者です。


筆者

菊地史彦

菊地史彦(きくち・ふみひこ) ケイズワーク代表取締役、東京経済大学大学院(コミュニケーション研究科)講師

1952年、東京生まれ。76年、慶應義塾大学文学部卒業。同年、筑摩書房入社。89年、同社を退社。編集工学研究所などを経て、99年、ケイズワークを設立。企業の組織・コミュニケーション課題などのコンサルティングを行なうとともに、戦後史を中心に、<社会意識>の変容を考察している。現在、株式会社ケイズワーク代表取締役、東京経済大学大学院(コミュニケーション研究科)講師、国際大学グローバル・コミュニケーションセンター客員研究員。著書に『「若者」の時代』(トランスビュー、2015)、『「幸せ」の戦後史』(トランスビュー、2013)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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