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「5万回斬られた男」福本清三さんの伝説的な「死にざま」

ペリー荻野 時代劇研究家

 福本清三さんが亡くなった。

 「日本一の斬られ役」「5万回斬られた男」――時代劇を好きな人なら、誰もが福本さんの仕事を知っているはずだ。時代劇の取材を始めて30年近くたつ私も、いろいろな場で本当にお世話になった。

 撮影所で初めて福本さんにお会いしたのは、1996年ころ。佐野浅夫版「水戸黄門」の収録現場で、浪人姿で出番を待つ福本さんたち斬られ役の方々に挨拶をしたのが最初だ。斬られ役の方々は、強面だが素顔は明るく、元気よく挨拶してくれる方が多いのだが、福本さんはにこにことしているだけ。シャイな方だなというのが第一印象で、それはずっと変わらなかった。いつも「わしの話なんか、面白くありまへんがな」と言われたが、福本さんの話はとても面白かった。

福本清三拡大福本清三さん(1943-2021)

筆者

ペリー荻野

ペリー荻野(ぺりー・おぎの) 時代劇研究家

1962年、愛知県生まれ。大学在学中よりラジオパーソナリティを務め、コラムを書き始める。時代劇主題歌オムニバスCD「ちょんまげ天国」のプロデュースや、「チョンマゲ愛好女子部」を立ち上げるなど時代劇関連の企画も手がける。著書に『テレビの荒野を歩いた人たち』『バトル式歴史偉人伝』(ともに新潮社)など多数。『時代劇を見れば、日本史はかなり理解できる(仮)』(共著、徳間書店)が刊行予定

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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