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大阪の銭湯で育った私は、韓国の銭湯も大好きです!

ミン・ヨンチ ミュージシャン 韓国伝統音楽家

 今日は韓国のお風のお話です。

 私はお風呂が好きです。お風呂と言っても、もっぱら銭湯に行くのが好きなのです。

 私が生まれた大阪の実家は、長屋でお風呂がなかったので、毎日のように近所の銭湯に通っていました。

 大阪の大衆銭湯は、私が幼少の時からそれはそれは施設が洗練されていて、ふつうの湯船はもちろん、電気風呂、露天風呂、水風呂、サウナなどの施設が整っており、中には脱衣所にカラオケボックスがある銭湯もあったくらいです。

 私はそんな銭湯が大好きなので、今も日本に帰ると毎日行きます。

JenJ_Payless/Shutterstock.com

 韓国の銭湯はというと、最近はチンジルバン(韓国の蒸し風呂)なんかも設けられていて、きれいになっています。私が学生だった1980年代は、普通の湯舟と水風呂とシャワーだけ。しかも湯船の水を浄化しないので、朝一にいけば比較的きれいなお湯につかれましたが、午後遅く行ったらたくさんの人が入った後なので、お湯が黒ずんでいてとても入られない。シャワーだけして帰るしかなかった。

 けど、現在はどこでもちゃんと浄化しているので大丈夫です。

 さて、日本の銭湯との違いはというと、韓国の銭湯はお風呂場の一角にあかすりコーナーが必ずあること。

 私は男なので男風呂しかわかりませんが、 男風呂のあかすりコーナーには必ずパンツ一丁の男のあかすり職人さんがいて、別料金であかすりやマッサージをしてくれます。

 ちなみに女風呂にはおばさんのあかすり職人がいるそうです。

 日本の場合は、男風呂なのに、女性のスタッフさんがいることがありますよね。なので、韓国人の知人を連れて日本のサウナに行くと、女性が働いてるので、すごいビックリされるんですよ。

 それと、日本の銭湯は、男の人たちは裸になるとタオルで隠しますよね。けど、韓国の男の人は隠しません。よくどうして?って聞かれるのですが、私もはっきりは分かりません。ここは、読者の皆さんにお聞きしたいところです。日本のAVにモザイクがかかっているからそのせいかな?なんて言って笑っています(韓国にAVはないのです)。多分ですが、隠すということが共通点として彷彿したんでしょうね。ま、笑い話です。

 あと素晴らしいのは、日本の温泉!!

 日本の温泉は宿泊施設も料理も素晴らしいし、世界中から愛されていますよね。私も日本に行くと家族で温泉旅行に行くのが1番の楽しみです。

 もちろん韓国にも温泉はあります。けど温泉と一緒にホテルがあったりはしますが、料理とかはありません。ホテルも普通の西洋風のホテルで、温泉のつくりも近所の銭湯と何も変わりません。なので私の子どもたちは韓国の温泉に行こうと言ってもそんなに喜んでくれないんです。

 それでも私は温泉好きなので、家族で地方まで車を走らせてよく行きます。そしてそこの温泉についての説明書を読んだりすると、だいたいの韓国の大きな有名温泉は、日本植民地時代に日本人が温泉を掘り当て、その地に観光ホテルを建てています。

 日本の温泉を思い出して、韓国でも温泉に入りたかったのでしょう。温泉でも、いろいろ考えさせられます。

近所の銭湯での出来事

 さて、今日の一番の話はここからです。つい先日、近所の銭湯であった体験。

 入場前には、携帯で指定の番号へかけて身分情報提供と体温チェック。

 コロナ防疫レベル3なので、入場人数制限もあり、男風呂30人、女風呂40人。

 受付の前では、制限のせいで入場できない3、4人のおばあさんたちがブツブツ言っていました。

 男風呂はすぐに入れて、湯船につかり体を洗って、だいぶ疲れていたのであかすりのおじさんにマッサージしてもらう。マッサージを受けること20分くらいで、いきなりドッーーン!!という音が響いた。何か大きなものが床に落ちた衝撃音。

 すると私をマッサージしてくれてた、あかすりのおじさんが、あっ!!って声を出して走っていきました。

 私も起き上がって見てみると、湯船と洗い場の間に人が倒れている!

 見た限り50代くらいのおじさんが後頭部から倒れ、仰向けになっていたのです。あかすりのおじさんが呼吸を確認しましたが、息がない!

 その場にいた3、4人の人たちがすぐに集まってきて、救命処置を始める。

 韓国のおじさんたちは、みんな軍隊に行ってきてるから、こういう時対処が早い。伝令も的確で、私に脱衣所に行って報告とタオルを沢山持って来いと。いやー、頼もしい。

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