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東山光明インタビュー、韓国の国民的詩人ペクソク役で初主演/下

実在した恋人たちを描く韓国発のミュージカル『僕とナターシャと白いロバ』日本初演

大原薫 演劇ライター

東山光明インタビュー、韓国の国民的詩人ペクソク役で初主演/上

僕がどれだけ役を広げられるかで、この作品が決まる

――ペクソクを演じて、いかがですか?

 はじめは自分の中で詩人というと「真面目」とかお堅いイメージをもっていたんです。でも、(日本語脚本・演出の)荻田(浩一)先生からは「歌も台詞も暗いから、もっと明るく、明るく」というご指摘をいただきました。ペクソクはモダンボーイと呼ばれて、お酒も女性も好きという部分もあるんです。そういう部分を自分に落とし込んで、日に日にペクソク像を構築していっているところですね。

――東山さんは今回が初主演なんですね。

 本当にこんなにありがたいことはないです。このお話をいただいたときからずっとソワソワドキドキしておりました(笑)。

拡大東山光明=森好弘 撮影

――主役となると、そうでない役のときとは違いがありますか?

 自分がやることが多い分、ジャヤ役のお二人や伊藤(裕一)くんに遅れないようにとか(笑)、そういうところは念頭に置いてやっていますが、主役ということはあまり意識しないようにしています。ただ、意識しないようにと言っても、ペクソクの強い思いがこの作品の中ですべてつながっているのは感じます。そこが今までいただいてきた役と違うところですね。ペクソクの詩で作られている作品でペクソク役を演じる。僕がどれだけ役を広げられるかで、この作品が決まるんだなというのは感じます。

――韓国版のダイジェスト映像を拝見しましたが、曲がとても繊細で美しいですね。

 本当に美しい楽曲です。クラシックな要素もありつつ、モダンボーイだったペクソクの世界観を表しているのか、パリのシャンソンのような雰囲気もあるんです。でも、聞いている分には心地いいけれど、自分が歌うとなると難しくて。探りながら、もがきながら、メロディと歌詞を体にすり込んでいる最中ですね。

――荻田先生が書かれる歌詞は言葉選びがとても美しく独特の世界観があるので、このメロディにどのように重なっていくのかも楽しみなところです。

 今回の作品はペクソクが書いた詩を抜粋して、メロディにはめています。僕も事前に日本語訳の詩集を読んでいたので、それがどうメロディにはまるのか興味深かったですね。歌い慣れていないうちは難しかったけれど、体になじんでくると台詞も歌も自然と出やすいんです。韓国語と日本語の響きの中には共通するものもあるんですが、荻田先生はそういうところを聞き逃さずに日本語歌詞にはめている。韓国版で聞く時のニュアンスをうまく日本語歌詞に残していらっしゃるなと感じました。

ジャヤみたいな女性がいたらなあ。ペクソクが羨ましい(笑)

拡大東山光明=森好弘 撮影

――荻田先生の作品には『BLUE RAIN』などでご一緒されていますが、演出を受けていていかがですか?

 演出されているときの言葉もそうですし、普段の何気ない雑談も全部演技につながるような気がして。荻田先生が発する言葉は、ポロっと言ったことも聞き逃さないようにしています。たとえば、ペクソクが父親に理解されないという場面があるんですが、「父の心の貧しさを怒りに変えたらいいんじゃないかな」とアドバイスを受けると、自分の中にすっと入ってきます。

――東山さんご自身としては、ペクソクとジャヤの関係はどう思いますか。

 男性目線からすると、ジャヤみたいな女性がいたらなあと思います。ペクソクが羨ましくて、羨ましくて(笑)。そこまで思ってくれているジャヤのところにどうしてペクソクは行けなかったんだろうというのも感じます。実際、38度線ができてからは超えるのは難しかったんだろうと思いますが。これが事実の話だから、よけい二人の関係に心奪われますね。

◆公演情報◆
ミュージカル『僕とナターシャと白いロバ』
2021年2月3日(水)~2月28日(日) 浅草九劇
公式ホームページ
公式Twitter 
[スタッフ]
English Title Me, Natasha and a white donkey
Book By Park Hae Rim
Music By Chae Han wool
Original Produced By INSIGHT ENTERTAINMENT
上演台本・訳詞・演出:荻田浩一
音楽監督・歌唱指導:福井小百合
振付:港ゆりか
[出演]
東山光明
AKANE LIV/月影瞳(W キャスト)
伊藤裕一
ピアノ:安齋麗奈
 
〈東山光明プロフィル〉
 「Honey L Days」として2010年にリリースした4thシングル「まなざし」はドラマ「タンブリング」(TBS)の主題歌に起用され、着うたが110万ダウンロードを記録。映画『L♡DK』、ドラマ「ホテルコンシェルズ」(TBS)、ドラマ「青春探偵ハルヤ」(テレビ朝日)などの主題歌・挿入歌でボーカルデュオとして確固たる地位を築いている。本名の「東山光明」名義でドラマ・映画・演劇・ミュージカルのフィールドで活動をしている。主な舞台出演作品は、『Beautiful』、『GEM CLUB 2』、『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』など。
公式ホームページ
公式twitter

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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