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【公演評】『PRINCE OF ROSES-王冠に導かれし男-』

花組の若きスター聖乃あすか、初のバウホール主演で未来のプリンスになる

さかせがわ猫丸 フリーライター


 花組バウ・ミュージカル『PRINCE OF ROSES-王冠に導かれし男-』が、1月28日、宝塚バウホールで初日を迎えました。花組の若きスター聖乃あすかさんが、100期生初のバウホール公演の主演をつとめます。

 15世紀、ランカスター家とヨーク家の薔薇戦争をベースに、ヘンリー7世が王冠を戴き、新しいイングランドを築く物語をドラマチックに描くこの作品は、竹田悠一郎先生のバウホール演出デビュー作でもあります。研2の星空美咲さんがヒロインに抜擢され、出演者・演出ともにフレッシュな舞台となりました。

聖乃の華が未来の王らしく

 甘く優しいマスクの聖乃さんは、2018年の大劇場公演『ポーの一族』で新人公演初主演。2019年赤坂ACTシアター公演『花より男子』では、F4の一人・花沢類を演じるなど、花組の若きスターとして早くから注目を集めていました。100期生の中で一番乗りとなるバウホール主演で、どのような雄姿を見せてくれたのでしょうか。

――15世紀、イングランドではランカスター家(赤薔薇)とヨーク家(白薔薇)が、薔薇戦争と呼ばれる権力闘争に明け暮れていた。国王ヘンリー6世(冴月瑠那)が再び王座についたある日、若き騎士ヘンリー・テューダー(聖乃)は、叔父のジャスパー・テューダー(高翔みず希)に連れられ、謁見に向かう。その凛々しい姿は国王をも感激させ、すべての人々に、彼こそ王冠を戴く男だと予感させるものだった。だが、まもなくヨーク家のエドワード4世(羽立光来)が王位に返り咲き、ヘンリーはブルターニュへの亡命を余儀なくされてしまう。

 聖乃さんは固めたリーゼントが男らしさを引き立て、整ったマスクとオーラがとにかくまぶしい。“華”のあるスターであることを改めて証明するかのようで、未来の王への説得力もありました。滑舌などに課題は残るものの、声色には甘さや色香もあり、歌唱力にもまだまだのびしろがありそうです。

 ランカスター家の血を途絶えさせないため、ヘンリーは生き伸びねばなりません。今はヨーク家に覇権を握られていても、いつかきっと“その時”はやって来ると……。

 やがて、ヘンリーの前にはさまざまな人物がやってきますが、いずれも何が目的なのか真意が図れないことばかり。それでも彼は自分の目で見極め、相手をとことん信じて突き進みます。素直で熱血なヒーローらしさも、まだ若い聖乃さんによく似合っていました。

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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