勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
批判する人々からも感じる女性蔑視を掘り下げてみた
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗氏が、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」「私どもの組織委員会にも、女性は(中略)7人くらいおられますが、みんなわきまえておられて」などと女性蔑視発言をしたことが、大きな問題となりました。
これに対して抗議の意を込めた「#わきまえない女」がTwitterのトレンド1位になったり、各国の在日大使館が「#don't be silent」というハッシュタグを付したムーブメントを展開するなど、連帯も生まれています。
その後、「逆ギレ」とも言われた森氏の会見や、「余人をもって代えがたい」(自民党の世耕弘成参院幹事長)といった言語道断な擁護論もありましたが、国内外からの厳しい批判を受けて、2月12日、森氏はとうとう辞意を表明するまでに追い込まれました。
女性蔑視は発言した本人だけではなく、それを見過ごしてきた私たち社会全体の問題でもあるという認識も広がりつつあるように思います。多くの世論調査で、「辞任すべきだ」という声が多数を占めたように、女性蔑視に関する社会の問題意識が、確実に変化しているように感じます。
その一方で、森氏を批判する著名人(主に男性)の中には、女性に矛先を向けたり、「ズレている」と思われる意見も散見されます。
舛添要一前東京都知事は、自身のTwitterで「森会長の女性蔑視発言は批判に値する」と言いつつも、「気配りの達人だからこそ失言も多くなる」と擁護したり、アメリカの女性参政権運動を模倣して野党の女性国会議員が白いスーツを着用した「ホワイトアクション」に対して、「失笑を禁じえない」と見下すような投稿もしていました。
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