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久しぶりの原点「ロミオとジュリエット」/礼真琴

【宝塚~朗らかに~】2021年は「感謝を返す年」に

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ・2月11日付紙面(大阪本社発行版)より】

 星組トップ礼真琴が、就任本拠2作目で、自身の「記念碑的作品」という「ロミオとジュリエット」に臨む。宝塚初演時には入団2年目で「愛」という役に抜てき、5年目の再演時に新人公演初主演を果たし、抜きんでた技量を知らしめた。“原点”へ戻り、心の機微にこだわった「ロミオ」を見せる。兵庫・宝塚大劇場で2月14日~3月29日、東京宝塚劇場で4月16日~5月23日。

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拡大トップ本拠2作目「ロミオとジュリエット」への思いを語る礼真琴(撮影・村上久美子)
 10年の宝塚初演時に2年目で「愛」、13年再演時に新人公演初主演。「記念碑的作品」と位置づける。

 「久しぶりにあのゾクゾク、ワクワクした思いに携われる。同時に(期待値の高さに)プレッシャーも」

 宝塚音楽学校時代から首席を通し、歌、ダンス、芝居すべてが高レベルにあった。ただ、それゆえ、新人時代、演出の小池修一郎氏から厳しい指導を受けた。

 「初演で名前を知っていただくきっかけになり、再演はもがいて、嫌だ! って投げ出したくなる気持ちから、楽しいと思えるところまで。ターニングポイント。この作品がなかったら、今の自分はいない」

 13年再演時は、本公演でも、役代わりでベンヴォーリオ役に抜てきされた。

 「歌と踊り、何をやっても『ベンヴォーリオに見えない』。役を通しての表現につながっていなかった。当時は、ただ悲しくて、苦しくて、泣いていた。掘り下げられていなかった。やればやるほど、(ロミオは)受け身な男性。ジュリエットにいい意味で振り回されるのも、彼の魅力かな」 星組の先輩で、専科の英真なおきが今回もロレンス神父役で出演する。

 「じゅんこさん(英真)は初演も再演も、ロレンス神父様。(ロミオに向かい)説教され、背を押されると、歌稽古から涙が止まらなく…。言葉のひとつひとつに心が震え、心の動き方が変わりました」

 柚希礼音、音月桂、龍真咲、明日海りお…歴代トップらが演じてきた。「心の動きを明確に」色を出す。

 「『世界の王』の場面は、仲間とガッツリ(組む)で、幸せ。1幕、2幕ラストの楽曲『エメ』で心が救われ、お客様にも、ほっとしてもらえる場面かな。戦い、憎しみが多い分、温かみも大事にしたい」

 昨年2月の本拠お披露目から1年。「学んだことは忍耐力。世界中の人がそうでしょうが…」。体のケアにも留意する。

 「発声練習。加えて、公演中は普段からノドを使わずにしゃべらないように。加湿、お風呂でマッサージしながら『今日も頑張ったな、俺の声帯』みたいにいたわって(笑い)」

 ボイストレーニングを兼ねたカラオケが趣味で、低音から高音域まで、初音ミクなどバーチャル歌手の楽曲をも歌いこなすが…。

 「(コロナ禍で)もう1年以上、行けていない! この状況、どうにかしてください(笑い)。行っても大丈夫となれば、もう立ち上がって歌います! 皆さまにも『行きました!』と報告させていただきます」

 昨年の自粛中、感染対策をして劇場付近を走り、歩いた。「ここの道はあそこへつながっていたんだ! この道にお花が咲いていた…とか、小さな発見が」。

 ただ、今なお、新人公演は復活していない。役代わり公演であり、感染対策から稽古が小班に分かれることもあって、リーダーとしても難しい立場にある。

 「私がロミオとして、皆がぶら下がれるぐらい、軸として立っていなければ。どうぞ、どうぞ、瀬央(ゆりあ)さんでも、愛(月ひかる)さんでも! と。私がブレたら、役代わりをされている皆さんがブレブレになっちゃうから」

 芯としての立ち位置を確認。21年は「感謝を返す年」にしたいという。

 「つらい時期でも、宝塚に思いを寄せ、励ましてくださるお客様がいて、我々も再開させていただいた。今年は目いっぱい、皆さまにお返ししたい。おなかを抱えて、ちぎれるぐらいに笑う瞬間がいっぱいあるような1年にしていきたい」

 快活に笑い、今年の誓いを立てた。

 3月に入団12年目が終わる。干支(えと)も1周した。「自分、しっかりしろ! って思います」。入団時、12学年上の先輩を「触れちゃいけない」「神々しい存在だった」と振り返る。今、自身は? 自問自答する。今作、新人時代からお世話になったロレンス神父の英真から「尻の青いボンボンのお前が」と言われる場面がある。「今、この立場で、これだけ成長しました-と、お見せできれば」と話している。【村上久美子】

◆ミュージカル「ロミオとジュリエット」(潤色・演出=小池修一郎、演出=稲葉太地) ウィリアム・シェークスピアが描いた「世界で最も有名な究極の愛の物語」。この名作を、ジェラール・プレスギュルヴィック氏がミュージカル化。小池秀一郎氏が潤色・演出を手がけ、10年に宝塚で日本初演(星組)。11~13年にも雪組、月組、再び星組と再演を重ねた。以来の再演がまた星組。13年新人公演でロミオを演じた礼真琴が主演、ジュリエットは相手娘役の舞空瞳。ティボルトは愛月ひかる、瀬央ゆりあが役代わりで演じる。

☆礼真琴(れい・まこと)12月2日、東京都生まれ。09年入団。星組配属。13年「ロミオとジュリエット」新人公演で初主演。歌、ダンス、芝居と高レベルで3拍子そろい、14年全国ツアー「風と共に去りぬ」でヒロインも。19年秋に星組トップ。同末にトップ初主演「ロックオペラ モーツァルト」好演。身長170センチ。愛称「まこっつあん」「こと」「こっちゃん」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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