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森喜朗氏/女性蔑視問題で結局女性が置き去りにされている件について

男性がやるべきことは、とにかくたくさん女性の話を聞くこと

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

②同じことでも男性が言えば聞く耳を持ってもらえる問題

Ned Snowmanshutterstock 拡大男性読者が圧倒的に多い夕刊紙でも森発言問題は連日報道された Ned Snowman/Shutterstock.com

 次に、自民党や五輪に反対したいがために森氏を糾弾したり、流行に乗ろうとしているとしか思えない人は論外ですが、一見もっともなことを言っている識者や著名人でも、女性に対して怒りや悔しい思い、“疎外感”を与えてしまっているケースは少なくありません。

 たとえば、男性識者が語るジェンダーに関する「正論」は、当事者の女性たちが既に何年も前から訴えてきたことばかりです。そうした発言に対して、これまで権力や発信力をもつ男性たちの多くは聞いてくれなかったのに、今になって男性識者の意見がすんなり受け入れられていることに、忸怩たる思いをしている女性は本当にたくさんいます。女性一人で説得しても納得しなかったのに、男性が加勢すると納得するケースもよくあります。

 もし、私が理解のなかった男性陣の説得に成功した場合、「ちなみにこれは女性たちがずっと言ってきたことなのに、男性である私の意見が聞き入れられたのはなぜですか? そこに森氏のような女性蔑視はありませんか?」ということも合わせて問うようにしたいと思っています。発言力のある男性識者にも同様のことを心掛けて欲しいものです。

③今までの女性蔑視問題をスルーしてきた問題

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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