メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

加藤和樹がロマンを追い求め続ける興行師役で主演/上

P.T.バーナムの半生を描くブロードウェイミュージカル『BARNUM』日本初上演

大原薫 演劇ライター


 ブロードウェイミュージカル『BARNUM』が日本初上演される(3月6日から東京芸術劇場 プレイハウスにて、その後、兵庫・神奈川公演あり)。

 19世紀半ばのアメリカで大きな成功を収めた興行師、P.T.バーナム。映画『グレイテスト・ショーマン』でその半生が描かれたことでも有名な人物だが、本作品は映画よりも早く(1980年初演)バーナムを取り上げたことでも知られている。

 伝統的なミュージカル劇場の雰囲気に、サーカスの光景が重なるゴージャスな作品で、日本版オリジナル演出は荻田浩一が手掛ける。

 バーナム役で主演する加藤和樹。本作の稽古が佳境に達する中での取材で、バーナム役に取り組む気持ちや本作にかける意気込みを聞いた。また、『ローマの休日』出演や自身のライブ『Thank You For Coming! 2』を通して感じた、コロナ禍においてエンターテインメントを届ける意義についても伺った。

バーナムという人間に焦点を当てて描くミュージカル

拡大加藤和樹=森好弘 撮影

――『BARNUM』で加藤さんが演じるのは稀代の興行師P.T.バーナム。バーナムというと、映画『グレイテスト・ショーマン』でヒュー・ジャックマンが演じた姿を思い浮かべる人が多いかもしれません。本作においてはどのように描かれているのでしょうか。

 同じ実在の人物を描いているわけですから、キャラクターのベースの部分は『グレイテスト・ショーマン』と同じですね。でも、バーナム以外の人物のバックボーンなども描かれていた映画と違って、今回の『BARNUM』ではバーナムという人間により焦点を当てて描いているんです。バーナムと妻のチャイリーがたどってきた人生の道のりをたどり、その中で起きた出来事を綴る作品になっています。

――バーナムはどういう人物?

 バーナムは本当にしゃべり上手で、楽しいことが好きな人。現代風にいうと「ちょける」というか(笑)、真面目な話がずっとできなくて、なんでも面白い方に持っていこうとするのがチャイリーとのやり取りでも出てくるんです。チャイリーは真面目に仕事の話がしたいのに、バーナムは男の夢やロマンを追いかけたがる。そこがバーナムが子供っぽく見える瞬間でもあって。チャイリーがずっとバーナムを支えてくれている。チャイリーなくしてはバーナムという男の成功はあり得なかったんだなと台本を読んで、実際に芝居をしてみて感じますね。

拡大加藤和樹=森好弘 撮影

――妻のチャイリーを演じるのは朝夏まなとさんです。

 共演は『ローマの休日』に続けて2作品目ということで非常に頼もしいですね。演出の荻田さんもおっしゃっていましたが、ラブラブな夫婦というよりは、全然違う人間なのに、人として持っている気質や心の深いところでつながっている二人。夫婦というよりはバディなのかな。共に生きていくうえでのパートナーという言い方がしっくりくると思います。朝夏さんと僕は同い年ですし、『ローマの休日』を経て築いてきた信頼関係があって、舞台でもバディ感が出ると思いますね。これは時間をかけて作らないとできない部分だと思うので、「初めまして」の人が相手だと難しかったと思う。そういう点に関しては朝夏さんでよかったなというか、本当に頼りにしています(笑)。

――『BARNUM』の稽古をしてみて、どんな作品になりそうだと感じていらっしゃいますか?

 最初に音源を聞いたとき、ワクワクして思わず手拍子をしたくなるような楽曲ばかりだなと思ったんです。実際に稽古をしていて思うのは、ミュージカルなんだけど、エンターテインメントショーのような部分も結構多いなと。演じていて楽しいですし、お客様も一体になって楽しめる作品になるのではと思います。

◆公演情報◆
ミュージカル『BARNUM(バーナム)』
Music by CY COLEMAN / Lyrics by MICHAEL STEWART / Book by MARK BRAMBLE
東京:2021年3月6日(土)~3月23日(火) 東京芸術劇場 プレイハウス
兵庫:2021年3月26日(金)~3月28日(日) 兵庫県立芸術文化センター
神奈川:2021年4月2日(金) グリーンホール相模大野
公式ホームページ
[スタッフ]
翻訳・訳詞:高橋亜子
演出:荻田浩一
音楽監督:荻野清子
[出演]
加藤和樹 朝夏まなと・矢田悠祐/フランク莉奈・綿引さやか(ダブルキャスト)/中尾ミエ ほか
 
〈加藤和樹プロフィル〉
 2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴びる。翌年Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。2009年には韓国、台湾、中国でCDデビューを果たし、音楽活動と並行し、舞台・ミュージカル・映像作品にも多数出演。俳優・声優としても活躍の場を広げている。近年の主な出演作品は、『ローマの休日』、『フランケンシュタイン』、『ファントム』、『怪人と探偵』、『BACKBEAT』、『暗くなるまで待って』、project K『僕らの未来』、ゲーム「ディスニーツイステットワンダーランド」、海外ドラマ「S.W.A.T」など。6月にはミュージカル『マタ・ハリ』への出演が決まっている。
公式ホームページ
公式twitter

・・・ログインして読む
(残り:約999文字/本文:約3144文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

大原薫の記事

もっと見る