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加藤和樹がロマンを追い求め続ける興行師役で主演/下

P.T.バーナムの半生を描くブロードウェイミュージカル『BARNUM』日本初上演

大原薫 演劇ライター


加藤和樹がロマンを追い求め続ける興行師役で主演/上 

自分のやりたいことにとことん突き進む姿に共感します

――バーナムに関して荻田さんはどんな演出をされていますか。

 バーナムは言葉を巧みに操る人。言葉の発し方や自分の言っていることすらも楽しんでいるんです。言葉だけで伝えられない思いを身振り手振りで伝えようとして、言葉より先に体が動いてしまうような人物なので、バーナムの感情のアップダウンを重点的に演出されていますね。

――バーナムというキャラクターに加藤さんが共感するところはどういうところでしょうか。

 自分のやりたいことにとことん突き進んでいく姿は共感するし、非常に尊敬していますね。バーナムは振り切ってるなと思いますよ。僕自身はバーナムみたいに周りが見えなくなるほどではないんですけど(笑)、そこまでいけるからこそ、歴史に名前が残せる人物になりえたんだろうなと思う。逆を返すと、彼を支えたチャイリーが一番すごい人なんじゃないかと感じますね。

拡大加藤和樹=森好弘 撮影

――演じるにあたって一番苦労しそうだなと思う点は?

 芝居で悩むということはあんまりないんですが、とにかくしゃべりっぱなし、出ずっぱりなので、「これはどこで水を飲めるかな」とか(笑)どこのタイミングで一息つけるかなというのは、正直大変だなと思いますね。とにかく冒頭からしゃべりまくりなので。でも、頭から全力でいかないとお客様をぐっと作品に引き込ませることができないので、そこは自分だけの力ではなく、キャストのみんなの力も借りて、ダイナミックに作り上げていきたいなと思います。

――バーナムは、どちらかというと明るい感じのキャラクターなんですか。

 そうですね、底抜けに明るいです。

――今まで加藤さんが演じられてきた役を振り返ると、「底抜けに明るい」というのはあまりなかった気がします。

 バーナムの中でアップダウンがあるし、悩まないわけじゃないんですよ。でも、悩んでいることすら楽しんでしまう。一回落ちて、その中から楽しみを見つけていくところが今まで演じてきた役とは違うなと思います。頭の回転も切り替えも早いし、とにかくじっとしていられない人というか。ミュージカルではこういう役は初めてかもしれない。

拡大加藤和樹=森好弘 撮影

――加藤さんの新しい面が拝見できそうですね。座組の皆さんはいかがでしょうか。

 みんな、仲がいいですよ。楽しそうにやっています(笑)。今回は少数精鋭キャストで、何役も演じていたり、アンサンブルキャストもいろんな場面で出てきてジャグリングをしたり。大変なんだけど、みんなもひとつひとつのことを楽しんで演じているのが観ていてわかります。荻田さんも底抜けに明るい人なので、みんなが引っ張られてついていっているなと思いますね。

隙間のない演出で、どのシーンを切り取っても面白い作品です

――加藤さんが考える『BARNUM』の見どころは?

 いつもそう聞かれると「作品全部が見どころです」と言うんですが、この作品ほど「全部が見どころ」という作品はなかなかないなと思いますね。先ほども言ったように、隙間のない演出の仕方をしているので、どのシーンを切り取っても面白いんです。バーナムという人物を軸に繰り広げられている物語の展開、例えば中尾(ミエ)さんが演じるジョイス・ヘスとのやり取りも面白いし、そこから始まって見世物小屋からサーカスへとカンパニーがどんどん大きくなっていく様子もダイナミックです。一度は挫折を味わって、それでもチャイリーに激励されて再起を志すというバーナムの人生の物語ですが、彼の人生にはこれだけ多くの人々が関わっている。いろいろな人との出会いや別れがあって、彼の人生=この作品が成り立っているので、本当に全部が見どころだと思います。

◆公演情報◆
ミュージカル『BARNUM(バーナム)』
Music by CY COLEMAN / Lyrics by MICHAEL STEWART / Book by MARK BRAMBLE
東京:2021年3月6日(土)~3月23日(火) 東京芸術劇場 プレイハウス
兵庫:2021年3月26日(金)~3月28日(日) 兵庫県立芸術文化センター
神奈川:2021年4月2日(金) グリーンホール相模大野
公式ホームページ
[スタッフ]
翻訳・訳詞:高橋亜子
演出:荻田浩一
音楽監督:荻野清子
[出演]
加藤和樹 朝夏まなと・矢田悠祐/フランク莉奈・綿引さやか(ダブルキャスト)/中尾ミエ ほか
 
〈加藤和樹プロフィル〉
 2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴びる。翌年Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。2009年には韓国、台湾、中国でCDデビューを果たし、音楽活動と並行し、舞台・ミュージカル・映像作品にも多数出演。俳優・声優としても活躍の場を広げている。近年の主な出演作品は、『ローマの休日』、『フランケンシュタイン』、『ファントム』、『怪人と探偵』、『BACKBEAT』、『暗くなるまで待って』、project K『僕らの未来』、ゲーム「ディスニーツイステットワンダーランド」、海外ドラマ「S.W.A.T」など。6月にはミュージカル『マタ・ハリ』への出演が決まっている。
公式ホームページ
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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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