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平間壮一インタビュー(上)、『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』出演

偶然の出会いから憧れ続けていた

橘涼香 演劇ライター


 マンハッタン北西部、移民が多く住む町ワシントンハイツを舞台に、それぞれの夢を追い求める若者たちと、その家族の姿をラテンミュージックで綴るBroadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』が、3月27日、28日鎌倉芸術館大ホールでのプレビュー公演を皮切りに、4月3日、4日大阪・オリックス劇場、4月7日、8日名古屋・日本特殊陶業市民会館ビレッジホール、4月17日~28日東京・TBS赤坂ACTシアターで上演される。

 Broadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』は、『Hamilton』で全世界に新風を贈ったブロ-ドウェイの異端児リン=マニュエル・ミランダが原案・作詞・作曲を手掛け、出世作となったミュージカル。オフ・ブロードウェイからオン・ブロードウェイに上り詰めるやいなや、観客や批評家達を虜にし、2008年のトニー賞をはじめ数々の演劇賞を受賞。今夏にはジョン・M・チュウ監督による映画版も公開される。

 そんな好機に、初演以来7年ぶりとなる日本版の再演が決定。再び日本に熱い『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』旋風が巻き起ころうとしている。その舞台で主人公・ウスナビを、初演から引き続いての登場となるMicro[Def Tech]と共にWキャストで務める平間壮一が、日本初演以前から大好きだったという『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』に感じている魅力や、実際に演じたからこそ見えてきた発見を語ってくれた。

Wキャストで全く違うウスナビがきちんと作品の中に生きられる

拡大平間壮一=宮川舞子 撮影〈スタイリスト:岡本健太郎/ヘアメイク:宮内宏明(M’s factory)〉

──いま、初日に向けてのお稽古たけなわの日々と伺っていますが。

 ちょうど1幕の真ん中くらいまで立ち稽古がついたところで、順調に進んでいるんじゃないかなと思っています。振付もどんどんついているのですが、僕が演じるウスナビがあまり踊る役ではないので、皆楽しくやっているなぁと感じています。

──秀でたダンス力をお持ちの平間さんですから、ご自身も踊りたい! とうずうずされているのでは?

 そうですね。自分が出ない場面の振りを覚えて踊ったりもしています!(笑)。

──そのダンスを是非拝見したいですが、まず改めて作品のお話から伺わせて下さい。元々この作品がとてもお好きだったそうですが、どういったきっかけで作品をお知りになったのですか?

 ニューヨークに行った時にタクシーの中で『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』の映像が流れたのを見てすごく興味がわいたんです。こういうストリートダンスが盛りだくさんに入っているミュージカル作品があるんだ!ということをその時初めて知ったので。

──作品の内容からではなく、ダンスナンバーの映像を偶然ご覧になったのですね?

 そうなんです。その時点ではストーリーはわからないままでしたけど、この作品に出たいなと強く思いました。でも、気が付いたら日本初演が決まっていて! 企画が進んでいることも全く知りませんでしたから、「あぁ、日本でやるんだ!すごく出たかったのに!」と思ったのをよく覚えています。

拡大平間壮一=宮川舞子 撮影

──それが7年前の日本初演の時のことですね。舞台はご覧になりましたか?

 もちろん拝見しました。音楽のイメージからは、とてもハッピーなミュージカルという印象があるのですが、ストーリーとしては社会的なテーマ、人種差別の問題や移民問題などもきちんと描かれた作品で。これに自分が出られるとしたら、そのあたりを濃くやっていけたらいいなと思っていました。

──そういう思い入れのある作品で、今回主演されることになった訳ですが、ウスナビ役での出演が決まられた時にはどうでしたか?

 まず本当に嬉しかったのですが、Wキャストで初演から続投のMicroさんがいらっしゃると聞いて、音楽を職業とされている方とご一緒するんだと思うと、嬉しいのと同時に目の前に大きな壁がいきなり立ちはだかったという気持ちにもなりました。

──そんなお気持ちに!?

 なりました! しかもMicroさんがウスナビを演じている初演を観させていただいた時に、役者とは違った、熱量と言いますか、パワーと言いますか、本当に気持ちでぶつかっていくウスナビだなと感じていただけに、演じるだけではそこに追いつけないのではないか? という想像が膨らんでいったので。

──そこから、実際にお稽古に入られた今はいかがですか?

 Microさんと話しながら、お互いのウスナビを作っているのですが、Microさん自身はやっぱり演じているという意識はあまりないとおっしゃるんです。僕が客席から感じた通りに気持ちでぶつかっていらして。しかもMicroさんのお人柄も知って改めて拝見すると、ますますこれはMicroさんにしか出せないウスナビ像だということがわかりました。ですから自分は自分で、これまで役者として経験してきた色々な役柄と同じように、あくまでも役を演じると思って取り組んでいて、お互いに全然違うウスナビなのですが、それでもちゃんとこの物語に生きることができると感じられて。Wキャストでひとつの役をやることの意味が、とてもよくわかる形になっているんじゃないかなと、良い感じの期待がいまは大きくなっています。

◆公演情報◆
Broadway Musical
『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』
プレビュー:2021年3月27日(土)〜3月28日(日) 鎌倉芸術館 ⼤ホール
⼤阪:2021年4月3日(土)〜4月4日(日) オリックス劇場
名古屋:2021年4月7日(水)〜4月8日(木) ⽇本特殊陶業市⺠会館ビレッジホール
東京:2021年4月17日(土)〜4月28日(水) TBS⾚坂ACTシアター
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[スタッフ]
原案・作詞・作曲:リン=マニュエル・ミランダ
脚本:キアラ・アレグリア・ウデス
演出・振付:TETSUHARU
翻訳・訳詞:吉川 徹
歌詞:KREVA
⾳楽監督:岩崎 廉
[出演]
Micro[Def Tech]/平間壮⼀(Wキャスト)、林翔太/東啓介(Wキャスト)、⽥村芽実、⽯⽥ニコル、阪本奨悟 ほか
 
〈平間壮一プロフィル〉
2007年、舞台『FROGS』でデビュー。高度なダンススキルを武器に多くの演劇作品に出演。2015・2017年、ミュージカル『RENT』ではエンジェル役で出演。2017年、劇団☆新感線『髑髏城の七人~Season月《上弦の月》』では迫力あるアクションで観客を魅了。2018年の舞台『Indigo Tomato』ではサヴァン症候群の青年という難役で主演を務め、好評を集め翌年には再演も実現。2020年のミュージカル『RENT』ではマーク役を演じ話題となった。
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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

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