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V6解散の想像以上に大きな意味~アイドル長命化時代のひとつの区切り

太田省一 社会学者

驚きだった解散発表

 突然の発表に、ファンならずとも驚いたひとが多かったのではないだろうか? 2021年3月12日、ジャニーズのアイドルグループであるV6が、同年11月1日をもって解散することがジャニーズ事務所から発表された。

 アイドルグループにメンバーの脱退はつきもの。しかしV6は、1995年のCDデビュー以来、6人のオリジナルメンバーの誰一人として欠けることなく、25年余り休まず活動を続けてきた。デビュー25周年の際には、「勤続25年の男たち」とちょっと冗談っぽく自ら称していたほどだ。だからだろう、V6はずっとこのままでいてくれるだろうと安心しきっていた私たちは、解散の報に驚いた。

 では、V6解散とはどのような意味を持つ出来事なのだろうか? ここではそれを、ジャニーズの歴史という少し大きな観点から考えてみたい。

Dragos Dragomirescu/Shutterstock.com拡大Dragos Dragomirescu/Shutterstock.com

森田剛のヒゲ~V6は個性派ぞろい

 後に「勤続25年の男たち」となる彼らも、ただ和気藹々(あいあい)とした“仲良しグループ”だったわけではない。「この6人はまとめようと思っても、まとまらないなと思った。むしろ僕の言葉でまとまるようでは、つまらないグループになっちゃうなと」(『サンケイスポーツ』2014年12月27日付記事)と振り返るリーダー・坂本昌行の言葉は、そのことを裏付ける。

 まず、坂本、長野博、井ノ原快彦の年長組による「20th Century(トニセン)」と森田剛、三宅健、岡田准一の年少組による「Coming Century(カミセン)」という2つのユニットがグループ内にあるように、比較的大きな年齢差がある。最年長の坂本昌行が1971年生まれ、最年少の岡田准一が1980年生まれだ。

 経歴もまた、それぞれだ。森田剛と三宅健はジャニーズJr.時代から「剛健コンビ」と呼ばれ、人気を集めていた。井ノ原快彦もジャニーズJr.からそのままデビューした。一方、年長組の坂本昌行と長野博は、デビュー前に一度ジャニーズ事務所を辞めた経験がある“苦労人”だ。さらに岡田准一は、テレビ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)の企画「ジャニーズ予備校」で合格、わずかその3か月後にV6としてデビューという異例のパターンだった。

 V6になってからの個々の活動も、バラエティに富んでいる。

 ジャニーズでもトップクラスの、

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筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)、『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)など。最新刊に『ニッポン男性アイドル史――一九六〇-二〇一〇年代』(近刊、青弓社)

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