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呉座勇一氏が溺れた「フェミ・リベラル叩き」というマノスフィアの“沼”

女性を見下す快感を求めて肥大するネット内ボーイズクラブ

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

批判した人々に矛先を向け、間接的に差別や蔑視を擁護

 また、差別や蔑視を含んだ広告や発言に批判が殺到して、取り下げたり関係者が辞任に至ったようなケースでは、「ネットリンチ」「多様性を否定している」「気に食わない奴等を排除しようとしている」「怒りの暴走」「フェミナチ」「ポリコレファシスト」などと、批判した人々に矛先を向け、間接的に差別や蔑視を擁護します。

 真剣に議論をしようとしても、ひたすら揚げ足取りをしたり、言葉の定義を自己都合で大きく変化させたり、次元の違う話を同じテーブルの上に乗せて「矛盾している!」「ダブスタだw」「ブーメランだw」と罵ったり、見下そうとしてくるので、まともにコミュニケーションを取ることはできません。
(※具体例を知りたい場合は、2020年2月に発生したひろゆき氏とのやり取りをフランクにまとめたnoteの私のエッセイをご覧ください。ひろゆき氏は「マノスフィア界隈」の人物ではないと思いますが、日本のマノスフィアは2chの影響を色濃く受けているため、論法はかなり似通っています)

アメリカで広がるマノスフィアが日本でも広がっている

rio hadukishutterstock拡大rio haduki/Shutterstock.com

 アメリカでは、このようなインターネット上における反フェミニズムコミュニティーは、『マノスフィア』(manosphere)と言われ、新しい社会問題になっているようです。

 とりわけ、マノスフィアの一種である『インセル(非モテであるがゆえに不本意ながら性的に禁欲を強いられている男性という彼らの自称)』が過激化して、無差別殺人事件すら相次いでいます(これに関しては八田真行氏の記事「凶悪犯罪続発!アメリカを蝕む「非モテの過激化」という大問題」(現代ビジネス)がとてもよくまとまっています)。つまり、女性に対するヘイトクライムです。

 日本はここまで過激化はしていないものの、その「日本版マノスフィア」とも言うべき場の周辺に、

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

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