2021年04月07日
千葉商科大学教授の宮崎緑さんは2021年3月23日、「安定的な皇位継承のあり方を議論する有識者会議」の初会合に茶系の着物姿で出席した。和装は門外漢だが、これは19年4月1日、「新元号に関する有識者懇談会」に出席した時と同じ「大島紬」だろうと思った。
あれから2年。再びの会合で明らかになったのは、彼女の変わらぬ着物愛と皇室関連「有識者」としての健在ぶりだった。
今回の「皇位継承会議(と縮める)」のメンバーは宮崎さんの他、女優で作家の中江有里さん、前慶應義塾大学塾長の清家篤さんら、計6人からなる。前回の「新元号懇談会(と縮める)」は宮崎さんの他、京都大学教授の山中伸弥さん、作家の林真理子さんら、計9人からなった。どちらの会にも選ばれたのは宮崎さんだけ。さらに振り返ると宮崎さん、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」のメンバーでもあった。天皇の退位を特例法で認める最終報告書を17年4月21日に出したこの会議、宮崎さんの他、慶應大学塾長の清家篤さん、東京大学名誉教授の御厨貴さんら計6人からなった。
ここまでを整理すると、清家さんは「負担軽減会議(と縮める)」→「皇位継承会議」と2度目のメンバー入りだが、「負担軽減会議」→「新元号懇談会」→「皇位継承会議」と3連続でメンバー入りしているのは宮崎さんだけ。3打数3安打、打率10割。
ここまでで、二つの疑問符が灯った方も多いと思う。その1「なぜ着物愛?」。その2「なぜ打率10割?」。
その1の答えは、SNSで話題になっただけにすぐに出た。報道を総合すると、宮崎さんは2001年から鹿児島県奄美パーク・田中一村記念美術館の館長をしていて大島紬はその縁、「着物プラス長い羽織」は同パークの式典でもおなじみの「宮崎スタイル」──だそうだ。となれば、3月23日の着物も大島紬で正解だろう。
次に「打率10割」だが、実は彼女の高打率、「皇室関連」に限ってのことではない。直近では21年2月22日、「国家公安委員会委員」になった。19年4月11日からは、「衆議院議員選挙区確定審議会委員」を務めている。衆院小選挙区の区割りを改定する必要があれば、案を作り首相に勧告する役目だそうだ。
千葉商科大学のホームページ「教員一覧」で宮崎さんを見る。「研究者情報」を構成する要素の中で、突出して多いのが「学会及び社会における活動」だ。30あるのだが、そのうち一つをのぞいてすべて「社会における活動」で、1984年4月から86年3月までの「国際青年年事業推進委員会(総務庁)委員」を務めたという記述から始まり、2019年4月の「元号に関する有識者会議構成員」までが並ぶ。うち8つに省庁名が入っていて、その他にも「税制調査会委員(13〜16年)」や「東京都教育委員会委員(15〜21年)」などなど、委員、委員、委員、理事、理事、時々審査委員、そんな調子だ。
宮崎さんを世に
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