青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト
1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
今、『週刊文春』がすごい。
という前に、他の週刊誌がどこもヘロヘロな状態ではなかろうか。
昔、といっても何年前だ、うーん、30年とか40年ぐらい前? 私は『週刊朝日』と『週刊文春』を毎週買っていて、発売日が楽しみで楽しみで、当時、JR新宿駅のホームのキオスクで『週刊朝日』の早売りが出てたので、それ買いに行ってましたもん、電車乗って、わざわざ。
それで家で早読みしながらテレビ見てると、午後のワイドショーでコメンテーターが早売りの『週刊朝日』読んだのがバレバレな、記事そのままみたいなコメントをしてることがよくあった(その後、その方は国会議員になられました)。
わりとすごかったんですよ、『週刊朝日』。新聞社系週刊誌としては『サンデー毎日』や『週刊読売』に大〜〜〜きく水をあけてたし(そういえば『週刊サンケイ』というのもあった。当時ですら存在感はなかった……)、週刊誌といえば『週刊朝日』か『週刊文春』だったんですよ。
「週刊誌界の東西両横綱」、というより左派週刊誌と右派週刊誌の両雄だったもんです。互いにライバル心バリバリ、誌面で名指しでやりあったりしてたのを覚えております。『週刊文春』は糸井重里の「萬流コピー塾」があって『週刊朝日』は「山藤章二の似顔絵塾」があって、そうだ週刊朝日は「デキゴトロジー」もあって……って今もあったりするんだろうか。申し訳ない、私ももう読んでないんでわからないんです『週刊朝日』。「週刊朝日vs週刊文春」の時はだんぜん週刊朝日派だったんだけどなあ。とにかく、電車の中吊り広告も楽しみで吊り革握りしめながら食い入るように読んだりしていたのに……。
これを書くにあたって、今週の『週刊朝日』をパラパラめくったら、「放送40周年記念『オレたちひょうきん族』を振り返る」なんて記事が前のほうに載っていて、つらいものがあった。そりゃ負けるわ……(ちなみに「デキゴトロジー」はなかった)。
と、『週刊朝日』の現況について嘆いてしまいましたが、『週刊朝日』だけの話ではない。『週刊文春』以外、どこもつらいことになっている。
論座ではこんな記事も人気です。もう読みましたか?