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「小室圭文書」と橋田壽賀子さんの「渡鬼」から結婚と夫婦別姓の隘路を思う

矢部万紀子 コラムニスト

 秋篠宮家の長女眞子さまとの婚約が内定している小室圭さんと、選択的夫婦別姓が似ている。4月8日に小室さんが公表した文書を読んで、そう思ったという話を前回の最後に書いた。

 文書から見えたのが、楽ではない境遇を生きた母と息子の、さながら昭和の物語。何としても息子の教育を守ろうとする母と、一時は婚約していた男性からのお金。息子はそういうもろもろを背景に、眞子さまとの結婚という道を進んでいく。

 作家の林真理子さんは、文書公表前だったが彼のことを「背伸びしすぎている印象」と表現した(「「小室圭文書」を読破してわかった母子の野心のありかと嫌われる理由」)。背伸びしすぎた上昇志向が人を苛立たせ、嫌悪になる。一度そうなってしまうと、「双方が良いなら良いではないか」という結婚一般への理屈は通用しなくなる。嫌悪が際立ってしまい、一般論をふさいでしまうのだと思う。

小室圭さんは「解決金」を払うというが……拡大小室圭さんは、母親の元婚約者に「解決金」を払うというが……

 これって、選択的夫婦別姓への賛否と同じ。そう思った。「選びたい人は別姓を選ぶ、同姓がいい人は同じ姓をどうぞ」。賛成する人間(私もそうだ)には、何の問題もなく呑み込める理屈。それがどうしても通じない。眞子さまの結婚以上に単純な理屈だと思うが、もう長きにわたり通じずにいる。「なぜだか、全然わからない」と憤っていたが、少しわかった気がしたのだ。「嫌なものは嫌って、こういう感情なのかもなあ」と。

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

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