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丸美屋食品ミュージカル『アニー』2021年版待望の上演! 藤本隆宏インタビュー/下

明日には明るい未来がくると、皆で信じていきたい

橘涼香 演劇ライター

藤本隆宏インタビュー/上

エネルギーが必要な特別バージョン

――今回の公演はコロナ禍の感染対策を踏まえた特別バージョンになるとお聞きしています。お稽古されてみての感触はいかがですか?

 稽古がはじまってから感じているのは、幕が開くと一気呵成にドラマが進むので、とてもエネルギーが必要だということです。一度出ていったらある意味休む暇がないので、瞬発力でもあり、一方で持久力でもあるパワーが求められているなと。孤児院の院長ハニガンさんのマルシアさんをはじめ、おそらく全員がそう感じていると思いますので、稽古場でも皆が集中していますね。

――アニー役のお二人はいかがですか?

 この1年で(德山)しずくちゃんが10cm、(荒井)美虹ちゃんが5cm身長が伸びたと話してくれました。本読みの時にはそこまで感じなかったのですが、いざ立ち稽古になってみると、本当に二人共スラッと伸びていました。でも気持ちの部分では、二人共良い意味で全く変わっていませんし、実年齢で言えばしずくちゃんがお姉さんなのですが、自分から見るとまるで双子みたいな感じです。どちらも歌も踊りも芝居もきちんと出来て、素直で可愛いアニーだなと思って、一緒にお芝居をさせてもらっています。他の孤児役の皆と一緒の稽古はまだなので、再会できるのを楽しみにしています。

拡大ミュージカル『アニー』稽古場=©NTV 提供

――また秘書のグレース役に笠松はるさんが登場されますね。

 同じ劇団四季出身とお聞きしましたが、それ以外にも素晴らしいキャリアの持ち主で。今回は特別バージョンなので、限られた出番の中ではありますが、ただの主(あるじ)と秘書に終わらない、二人にはどこかで通じあうものがあるんだということを踏まえて演じていきたいね、と話しあっています。とても優しい方で芝居もやりやすいですし、ここから更に稽古を重ねてどうお互いに進化していけるかを楽しみにしています。

ひとつの台詞がより重要になる

――山田和也さんの演出についてはいかがですか?

 山田さんは稽古場に一番早くいらして、一番後まで残っていらっしゃいます。演出家席で腕組みをしたままじっと考えている姿をよく拝見するので、やはり特別バージョンということで、色々と悩みもおありなのだろうかと思っていたのですが、お話させていただくと「絶対に大丈夫」と頼もしく答えてくださいますし、全てを託せる方なので、細かくディスカッションをしながらの稽古に全幅の信頼を寄せています。

拡大ミュージカル『アニー』稽古場=©NTV 提供

――細かいディスカッションと言いますと、俳優さんからの発信にも柔軟に応えてくださる演出家さんですか?

 役者がやってみたいと思ったことは全て受け止めてくださいます。まずやってみようという姿勢でいてくださるので、ありがたいですし、優しいです。ただ、常に優しいからこそ、できなかったことに対しては厳しく指摘もしてくださる。何より言葉の一つひとつが深いんです。決して言葉数が多い方ではないのですが、とても温かい言葉を発してくださるので、稽古が本当にやりやすいです。

――2021年版について特に楽しみにされていることは?

 上演時間が凝縮されている分、ひとつの台詞がより重要になってくるなと感じています。稽古を重ねていくなかで、これまでとは同じ台詞でも言い方を変える必要が出てくるので、その作業は大変であると同時に楽しみにもしています。2021年の今だけのバージョンですから、初めて作品に参加させていただいた時と同じような感覚にもなっていて、とても新鮮です。

――では、新しい刺激もたくさんあるのですね?

 そうですね。今までやってきてわからなかったことに気づけたりもしているので、取り組んでいてとても楽しいです。

◆公演情報◆
拡大ミュージカル『アニー』
丸美屋食品ミュージカル『アニー』
東京:2021年4月24日(土)~5月10日(月) 新国立劇場 中劇場
※夏のツアーの予定もあり
公式ホームページ
[出演]
荒井美虹、德山しずく(Wキャスト)
藤本隆宏、マルシア、笠松はる、栗山航、河西智美 ほか
 
〈藤本隆宏プロフィル〉
 競泳選手としてオリンピックに2大会連続で出場した経歴を持つ。劇団四季に入団して俳優への道へ。ミュージカルなど舞台作品に多数出演した後、テレビドラマなど映像作品にも進出する。主な出演作品は、『江戸は燃えているか TOUCH AND GO』『京の螢火』『イン トゥ ザ ウッズ』『ハウ・トゥー・サクシード~努力しないで出世する方法~』など。
公式ホームページ

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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

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