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ゴツプロ!開幕、塚原大助&関口アナン&皆川暢二インタビュー/上

『向こうの果て』、ドラマ・舞台・小説の連動プロジェクト

真名子陽子 ライター、エディター

 ゴツプロ!第六回公演『向こうの果て』が23日に開幕した(下北沢・本多劇にて5月5日まで上演)。

 旗揚げ以来、男性キャストのみで上演してきたゴツプロ!が、今回、初の女性キャストとして小泉今日子を迎えた。昭和60年代。小さなアパートの一室で起きた殺人事件を軸に、小泉演じる律子と律子にまつわる男たちの話を、ゴツプロ!の作品すべての脚本を書いてきた竹田新がこれまでと違った作風で完成させ、ゴツプロ!にとって挑戦となる作品になっている。

 そしてこの『向こうの果て』は、舞台、ドラマ、小説の3つのコンテンツで展開されるオリジナルシナリオの連動プロジェクトで、『WOWOWオリジナルドラマ 向こうの果て』は5月14日よりスタートし、小説は幻冬舎から発売中だ。さらに、舞台『向こうの果て』は全公演をマルチアングル動画で生配信する。

 ゴツプロ!を主宰している塚原大助、前回の公演に引き続いて2度目のゴツプロ!作品への参加となる関口アナン、そして初参加となる皆川暢二に話を聞いた。

初の女性キャストは新たな挑戦

拡大左から、皆川暢二、塚原大助、関口アナン=森好弘 撮影

――これまで男性キャストのみで演じてきたゴツプロ!が初めて女性をキャスティングしました。まずはその理由を聞かせてください。

塚原:2年ほど前から企画していた話で、(山野)海さん(演出、筆名・竹田新)といつものように居酒屋で飲んでいたら、「こういう物語どう思う?」と海さんが話し始めたんです。作品を決めるときはいつもそんな感じなんですけど、すでに具体的なアイデアがその時点であって、「この役は誰だろう?この役は○○が良いよね」となんとなく話を進めていく中で、「じゃあ、この話面白いからやろうよ」となったんです。

――ではその時から、女性をキャスティングするのは決まっていたんですね。

塚原:そうなんです。で、その時から主人公の女は小泉さんだよねっていう話にもなっていました。

――これまで男性だけで上演してきましたが、女性をキャスティングすることに抵抗はなかったんですか?

塚原:なかったですね。男だけでやろうというひとつの拘りはあったけれど、反面、面白いものがあれば挑戦していきたいという思いもあったんです。これまで、三味線や阿波おどり、民謡を取り入れた作品をやってきましたが、それらを僕たち役者が一年かけて練習し公演で披露することも挑戦でした。今回の女性を入れるということも新たな挑戦として、ゴツプロ!としても面白いと思ったのでやろうと思ったんです。

一度ストレートプレイに戻したい

拡大塚原大助=森好弘 撮影

――そのゴツプロ!の作品に、客演として関口さんが2回目、皆川さんは初めて出演されます。ゴツプロ!という劇団の印象はいかがですか?

関口:僕は劇団ふくふくや(山野海が主宰する劇団)に4回出演させてもらっていて、ゴツプロ!の公演も2回目の『キャバレー』からずっと拝見していたんです。とても男くさいというか、40代の男達が・・・

塚原:(笑)当時40代ね、もはや今は50代もいるからね。

関口:その40代の先輩たちが劇団を立ち上げるということが、カルチャーショックとまでは言わないけれど (笑)、そんなことってあるの?面白いなあと思って見ていました。ゴツプロ!が伝えたいことや、やっていることの熱量が僕らの世代よりもたくさんあって、すごいことをやってるなとずっと思っていたんです。そうしたら去年初めて声をかけていただいて。僕だけ30代で年齢が離れていたのですが、一緒に物を創っている仲間だと勝手に思って参加していました。いざ中に入ると外から見ていたよりも、もっとエネルギーがありましたね、稽古中から。

――舞台での熱量はいつも感じていますが、稽古場の熱量もすごかったんですね。

関口:そうですね。やりたいことがあって、伝えたいことがある、だからそれをやる。劇団としての意味を、稽古初日から目指すべき場所みたいなものが皆さんで共有されているイメージがありました。自然とその中に入れましたし、(塚原)大助さんがウエルカムな方なので、そこに甘えられたというのもあります、僕が一番年下だったので。今回は2回目だからとてもスムーズに入れましたし、やはり小泉さんという女性がいることで、去年とはまた全然違った雰囲気になっています。

拡大関口アナン=森好弘 撮影

――皆川さんは初参加ですね。

皆川:ゴツプロ!は最初の公演から全作品見させてもらっていました。メンバーの方と共演した経験はないのですが、これは劇団あるあるなんですが、舞台を観に行くと演者さんたちの飲み会へ誘われるんです。そういった場所にゴツプロ!の方がいらして、少しお話をしたことがある、顔を知っている、そういう関係でした。僕自身、舞台出演が久しぶりなので、稽古が始まってからはドキドキワクワクの状態で、久々に先輩が多い中で作品を創っています。稽古場で先輩方がやっていることを見ながら勉強させてもらっていますし、やりやすい雰囲気を作ってくださっているなと感じています。

拡大皆川暢二=森好弘 撮影

――初めて女性が入った作品はいかがですか?

塚原:女性が入る云々という以前に、これまで三味線、阿波おどり、民謡といったひとつの大きな要素を取り入れた作品が続いたので、一度ストレートプレイに戻したいという思いがあったんです。今まではワンシチュエーションで物語が繰り広げられていましたが、今回はセットも抽象的にしていますし、時代が飛んだり空間が歪んだり、いろんな要素がある作品です。すごく難しいけれど可能性がたくさんある作品だなと思うんですよね。美術や音響、演出、そして役者、それぞれが集結すれば、脚本には描かれていないものが色々出てくるんじゃないのかなと。今まで以上に試行錯誤しながら創っていますね、演者も海さんも。そういう空気感が今までと全然違うなと思います。どう変わっていくんだろうという可能性をすごく楽しみにしています。

――台本を読ませていただきましたが、本当にこれまでの作品と違って、登場人物それぞれの心の奥深くにさらに入り込んでいるような気がします。

塚原:今回はひとりの女性がいて、そこに大人の男達が絡んで話は進んでいくので、また違ったゴツプロ!の魅力を出せるんじゃないのかなと思います。

◆公演情報◆
ゴツプロ!第六回公演『向こうの果て』
2021年4月23日(金)~5月5日(水・祝) 下北沢・本多劇場⇒25日~公演中止

★4/28~30無観客生配信が決定!
ドラマ版のゲストを迎えて、auスマートパスプレミアムにてマルチアングル生配信を行います。
※「auスマートパスプレミアム」※auユーザー以外もOK!
特設ページはこちら

<生配信スケジュール>

■4月28日(水)14:00開始
※アフタートークゲスト:本多愼一郎(本多劇場グループ総支配人)
■4月29日(木・祝)18:00開始
※アフタートークゲスト:内田英治(ドラマ版監督)、柿澤勇人(ドラマ版津田口亮介役)
■4月30日(金)14:00開始
※アフタートークゲスト:松本まりか(ドラマ版主演池松律子役)


公式ホームページ
[スタッフ]
脚本:竹田新
演出:山野海
[出演]
塚原大助、浜谷康幸、佐藤正和、泉知束、かなやす慶行、渡邊聡、44北川
関口アナン、皆川暢二
小泉今日子
[演奏]
小山豊(津軽三味線小山流三代目) ほか
 
〈塚原大助プロフィル〉
 2015年よりゴツプロ!を主宰し、公演のプロデュースも手掛ける。舞台を中心に幅広い表現力を見せ、ふくふくや、ゴツプロ!公演以外に、映画『コンプリシティ/優しい共犯』、映画『ソワレ』テレビ東京系ドラマ24『Iターン』、舞台『後家安とその妹』(明後日プロデュース)、舞台『人間合格』(こまつ座)などに出演。
公式twitter
 
〈関口アナンプロフィル〉
 1988年、東京都生まれ。イギリス・ロンドンへ2年間の留学後、俳優を志す。映像出演は、NHK『いだてん』、テレ朝『やすらぎの刻〜道』や、映画『ブルーヘブンを君に』(2021年6月公開)、ndjc2020 作品『窓たち』(2021年2月公開)など多数出演。舞台は、ふくふくや、ゴツプロ!の他作品にも多数出演している。次回作は『続・まるは食堂 ~なにごとの おわしますかは 知らねども~』6月16日 ~6月20日 東京芸術劇場シアターウエストにて、出演予定。
公式twitter
 
〈皆川暢二プロフィル〉
 体育教師を目指し大学に進学したものの、ひょんなきっかけで俳優の道を志す。日本に居辛さを感じワーキングホリデーを活用しカナダへ。思いつきでカナダからアメリカ自転車縦断、アメリカ横断に挑戦。約7,000kmを経てゴールであるニューヨークに到着する。帰国後は自身の手で映画を作りたいという思いが強くなりOne Gooseを発起。2018年映画『メランコリック』を主演兼プロデューサーという形で制作する。
公式twitter

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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