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「震災後10年」が過ぎ去った今、いわきの劇場から

「いわきアリオス」での歩みを振り返る【上】

萩原宏紀 演劇制作者、いわき芸術文化交流館アリオス企画制作課

避難所になった劇場の「3.11」

 いわきアリオスは、そのいわき市で2008年4月に第一次オープンを果たした。大ホール(1705席)、中劇場(687席)、小劇場(233席)、音楽小ホール(200席)の4つのホール・劇場と、リハーサル室・稽古場・練習室・スタジオ等の練習系施設を有する大きな劇場だ。

 2011年3月11日、大ホールではピアノ、中劇場では照明機材の定期保守点検が行われ、小劇場では当館の自主事業である「いわきでつくるシェイクスピア『から騒ぎ』」の稽古が予定されていた。スタジオや練習室、カフェも含め、100名ほどの利用者がいたと推測される。

拡大避難所になっていた時の「いわきアリオス」
 14時46分に地震が発生し、いわきアリオス前の平中央公園に利用者全員が避難。幸いにして怪我人はおらず、施設外構に地割れ、ひび割れがあったものの、建物の躯体に損傷はなかった。施設の1・2階とロビー部分は一時避難場所に、いわきアリオスの運営事務室は臨時災害対策本部となった。

 その後、夜になっても帰宅を怖がる人、ロビーに残る人がいたため、当館は指定避難所ではないが、臨時避難所として運営していくことを決定した。舞台備品や舞台用具等からカーペット、クッション、ゴザ、畳などをロビーに運び出し、そこから5月5日までの56日間、当館は“避難所アリオス”となった。

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筆者

萩原宏紀

萩原宏紀(はぎはら・ひろき) 演劇制作者、いわき芸術文化交流館アリオス企画制作課

1984年大阪市生まれ。2005年、近畿大学文芸学部芸術学科演劇・芸能専攻劇作・理論コース在学中に「劇想空飛ぶ猫」を旗揚げ、2010年の解散まで全作品の作・演出を担当する。東京都杉並区の「座・高円寺」劇場創造アカデミー第1期修了。2009~11年「劇団劇作家」にも所属。2012年より、いわき芸術文化交流館アリオスに勤務。現在は企画制作課の演劇・ダンス事業グループ チーフ。福島市にて「アトリエ ブリコラージュ」の運営にも携わる。

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