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「紀州のドン・ファン」の元妻逮捕、筋が悪いんじゃないの?

青木るえか エッセイスト

 紀州のドン・ファンの元妻逮捕!

 なんで今ごろ。誰か期待してたか?

 3年前にこの事件が起きた時、当欄(「紀州のドン・ファン事件、真相をシロウト推理する」)でいろいろ感想を書いたが、その時から「面白おかしく騒いでるけど、これは逮捕までは至らないんではないか」と思っていた。それが、忘れた頃の今ごろ逮捕。

野崎幸助さん=2018年2月「紀州のドン・ファン」野崎幸助さん=2018年2月

 コロナ失政の目をそらすために逮捕をぶつけてきたのかとか勘ぐるツイートなども見かける。でも、和歌山県警がそこまで政府の下請け商売みたいなことをするだろうか。ツッコミつつも、コロナ関連のニュースをやるべき時間にこのニュースが流れたりすると「これもそういうことなのか」と思う。

 でもなあ。正直、それほどテレビ的に盛り上がっていない。この、盛り上がらないのが、「ムリヤリ逮捕した」感をいや増しているかもしれない。

 週刊誌に「ドバイに高飛び」の説が出たから「飛ばれる前に捕れ」で逮捕に至った、というのも巷間言われている。でも週刊誌がそういうことを書くというのは、警察が「元妻の身柄を押さえる」という情報を小出しにしてきたから記事が出たとも考えられるしなあ。となるとやっぱり和歌山県警が「今を狙って身柄を取りにきた」ということなのか。

 しかし逮捕するというからには何かすごい証拠が挙がったんだろう、と新聞やテレビの報道を見てみたら、「……3年前と状況変わってなくないか? これ、筋が悪いんじゃないの?」。

元妻に感心してしまったこと

 まずはその「逮捕のきっかけをつくった」らしい『週刊新潮』(5月6・13日号)を読んでみる。

 3年前の事件発生時から、「状況証拠では妻は真っ黒」と言われていたが、新潮の記事を読んで、新たな事実と言えそうなものは、

 「Sさん(元妻。まだ逮捕されてない時点の記事なので)は名前も旧姓に戻した」

 「最後に会ったのは市内の寺で執り行われた社長の三回忌法要」

 「マスクをはずすと別人。韓国で整形して目元ぱっちり、口元はアヒル口に」

 「野崎(幸助)さんが死因とされる覚醒剤を経口摂取した時間帯、元妻が一緒にいたということを元妻の携帯のGPSで解析、野崎さんに一服盛れたのは、Sさん意外にあり得ないことが判明したという」

 そして「今春をメドにドバイへの高跳びを画策」ぐらいだ。いいのかこれで。とくに野崎さんが覚醒剤飲んだ場所に元妻がいたとGPSで判明、ってそれ野崎さんの家で、家政婦も一緒にいたんじゃないの?

 私が感心してしまったのが、

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