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ロミオ役に抜擢、黒羽麻璃央&甲斐翔真インタビュー/下

日本オリジナル版初演から10周年、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』

大原薫 演劇ライター


ロミオ役に抜擢、黒羽麻璃央&甲斐翔真インタビュー/上

愛と死を掘り下げた先が見える作品です

――今の時点で、ロミオ役のプランは?

甲斐:歌稽古で音楽監督から言われて気づいたことがあるんです。ロミオは最初から最後にかけて、愛を通じてどんどん大人になっていく。大人の階段を上っていく様を声色でも芝居でも所作で表現して、各ナンバーで違う表情を見せられたらと思います。ロミオはやさしい人というイメージがあるけれど、実は自分の理想の世界にならないことに憤りがある。ただやさしい人にならないように、社会の流れから離れようとしている青年として演じたいなと思います。

黒羽:人間くさく演じたいなと思っています。あとは、ジュリエットをどれほど愛せるかが、自分の中では肝だなと思いますね。マーキューシオやティボルトが死ぬのも、いろんな出来事もロミオとジュリエットが恋に落ちたことが原因。だから、ジュリエットへの愛情に説得力がないと「そんなことになる?」と思われてしまう。運命の人に出会いたいと掲げてきた理想の出会いを果たして、たった一日でジュリエットという存在を深く愛してしまったという説得力があるロミオでありたいです。あとは、みんなで稽古をしながら作り上げていけたらいいかなと思っています。

甲斐:それと、宝塚版の『ロミオとジュリエット』を観て、二人の出会いのシーンが素晴らしくて涙するくらいだったんです。それは何故かというと、心から愛せる相手を探す二人の心の温度が同じくらい強いからだと思います。二人が出会って愛が弾けるのがきれいだなと思って、これは参考にしたいと思いました。

拡大黒羽麻璃央(右)&甲斐翔真=森好弘 撮影

――作品としての魅力は?

甲斐:この作品はシェイクスピアの悲劇ですが、ロミオが最後にジュリエットの後を追うところが、僕には悲劇に思えなくて。この作品の中では死さえも愛だと思える。愛と死を掘り下げた先の何かが見えるところが魅力だなと思います。

黒羽:『ロミオ&ジュリエット』の中で、大人たちの都合や様々ないさかいで子供たちが被害を受けるのは、現代社会とリンクするなと思っていて。大人たちの都合で、子供たちが血を見ることになってしまって、ティボルトがマーキューシオを刺し、ロミオがティボルトを刺してしまう。ロミオとジュリエットの犠牲の上に平和が成り立ったというところが、そこまでしないと気付かない人間の愚かさを感じますし、実際の世の中にも同じことがあるなと思うんです。

甲斐:登場人物すべてが、周りが見えていない、物事がわかっていない人たち。それくらい、若くて青いからこそ、愛も際立つんじゃないかな。「今、そっちにいったらダメだ」と判断できるのは大人。だから、この作品の中では青く若く、子供でいられるようにしたいと思っています。

◆公演情報◆
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
東京:2021年5月21日(金)~6月13日(日)  TBS赤坂ACTシアター
大阪:2021年7月3日(土)~7月11日(日)  梅田芸術劇場メインホール
名古屋:2021年7月17日(土)~7月18日(日)  愛知県芸術劇場 大ホール
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[スタッフ]
原作:ウィリアム・シェイクスピア
作:ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)
[出演]
黒羽麻璃央/甲斐翔真(Wキャスト)、伊原六花/天翔愛(Wキャスト)、味方良介/前田公輝(Wキャスト)、新里宏太/大久保祥太郎(Wキャスト)、立石俊樹/吉田広大(Wキャスト)、
春野寿美礼、原田薫、石井一孝、宮川浩、秋園美緒、兼崎健太郎、岡幸二郎、松村雄基
小㞍健太/堀内將平(Kバレエカンパニー)(Wキャスト) ほか
 
〈黒羽麻璃央プロフィル〉
 第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト準グランプリを受賞し、2012年にミュージカル『テニスの王子様』で俳優デビュー。以降、ミュージカル・ストレートプレイ問わず舞台に多数出演。近年は、映画・ドラマやバラエティ番組、情報番組のシーズンレギュラーを務めるなど活躍の場を広げている。近年の主な舞台出演作に、『秒速5センチメートル』、『るろうに剣心 京都編』『エリザベート』(共にコロナにより公演中止)など。
オフィシャルサイト
オフィシャルtwitter
 
〈甲斐翔真プロフィル〉
 2016年に『仮面ライダーエグゼイド』でドラマ初出演し人気を博す。以降映像を中心に活躍し、2020年に『デスノートTHE MUSICAL』で初舞台にして初主演を務める。以降、ミュージカル俳優としても作品を重ねている。近年の主な舞台出演作に、『マリー・アントワネット』、『RENT』など。
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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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