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大竹しのぶが歌い、笑い……荒む

『つかこうへいのかけおち'83』⑤

長谷川康夫 演出家・脚本家

つかと大竹しのぶの共鳴

拡大大竹しのぶ=1982年撮影
 つかが「俺の芝居は」と語るとき、そのあとに続くのは、「役者によって作らされる」であり、「その役者が持っている言葉以上の台詞なんて生まれてこない」であり、「俺の哲学と役者の持つ哲学が共鳴し合って初めて出来上がる」といったものであることは、何度か書いてきたが、このときの大竹しのぶとの芝居作りは、まさにその言葉を実証していた。

 それはつかの芝居を長く支え、〝伝説〟となる空前のブームを共に駆け抜けた、平田満や三浦洋一、風間杜夫、根岸季衣らとの関係さえ、思わせるものだった。

 『かけおち'83』の中には、そんなつかと大竹の共同作業ともいうべき〝口立て〟だからこそ生まれた「名台詞」がいくつもある。

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筆者

長谷川康夫

長谷川康夫(はせがわ・やすお) 演出家・脚本家

1953年生まれ。早稲田大学在学中、劇団「暫」でつかこうへいと出会い、『いつも心に太陽を』『広島に原爆を落とす日』などのつか作品に出演する。「劇団つかこうへい事務所」解散後は、劇作家、演出家として活動。92年以降は仕事の中心を映画に移し、『亡国のイージス』(2005年)で日本アカデミー賞優秀脚本賞。近作に『起終点駅 ターミナル』(15年、脚本)、『あの頃、君を追いかけた』(18年、監督)、『空母いぶき』(19年、脚本)などがある。つかの評伝『つかこうへい正伝1968-1982』(15年、新潮社)で講談社ノンフィクション賞、新田次郎文学賞、AICT演劇評論賞を受賞した。20年6月に文庫化。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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