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宝塚歌劇ーレジェンドの「旅立ち」と原田諒の作劇について

『ピガール狂騒曲』の精緻な四重構造を読み解く

天野道映 演劇評論家

1900年パリ、女性作家コレット、『十二夜』

 『ピガール狂騒曲』は、人を恋する者の哀しみを秘めつつ、女性が女性として生きる矜持を描いている。それはジェンダーを越えて人が人として生きる道に他ならない。

 この作品は「シェイクスピアの『十二夜』より」というサブタイトルが語るとおり、『十二夜』をベルエポックのパリに移し替えた趣向である。モンマルトルの丘に近いピガール広場のレビュー小屋「ムーラン・ルージュ」を舞台に、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような大騒ぎのコメディが上演される。

 だが幕が開くと、赤い風車が回るレビュー小屋の前に、実在の作家ウィリー(鳳月杏)が美しい妻ガブリエル(美園さくら)と連れ立って登場するので、初めは戸惑う。

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筆者

天野道映

天野道映(あまの・みちえ) 演劇評論家

1936年生まれ。元朝日新聞記者。古典芸能から現代演劇、宝塚歌劇まで幅広く評論。主な著書に『舞台はイメージのすみか』『宝塚のルール』『宝塚の快楽―名作への誘い』『男役の行方: 正塚晴彦の全作品』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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