真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター
大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
ホリプロ「ミュージカル・クリエイター・プロジェクト」無料動画配信中!
――配信されている動画では、すごく楽しそうに歌われているのがとても印象的でした。子どもの頃から音楽が身近にあったそうですね。
両親の影響もあるのですが、いろんな音楽をたくさん聞くようになったのは姉の影響も大きく、気づいたときには自ら音楽にハマっていました。父はゴスペルのディレクターをしているのですが、歌を教えてもらったことはなく、好きな歌手を見つけてはその人になりたいと真似をして歌って……そんな子どもでした。
――ちなみに最初に好きになったアーティストは誰だったんですか?
子どもの頃、ディズニーチャンネルをずっと見ていて、チーター・ガールズという4人組のグループが大好きだったんです。ずっと憧れていてその4人の声を真似して、声を使い分けたりして歌っていました。
――では、子どもの頃からいろんな声を作っていたんですか?
作るというか、この人が好きだから真似しよう!そんな感じです。そのチーター・ガールズの中でガレリア役の人の動きがとてもカッコよくて、すごく素敵な声で歌うので、私もガレリアになりたい!と(笑)。本当に大好きで憧れていたんです。
――身体の動きも見ていたんですね。鈴木さんも歌っているときの身体の動きがとてもカッコ良かったです。
ありがとうございます! そういう方々から真似して奪ったものです!(笑)。あとは本場のゴスペルに触れる機会が子どもの頃からあったので、リズムの取り方など身体の動かし方も自然と見ていたんだと思います。
――その頃から歌手になると決めていたんですか?
子どもなので夢はコロコロ変わってはいましたけど、やっぱり歌うことが好きでしたので、歌手になりたい、チーター・ガールズみたいになりたいと思っていました。
――そんな子ども時代を経て、実際に歌手になりました。高校生の頃に出場したコンテストで優勝したのが大きなきっかけになったと思うのですが。
はい。コンテストの時もそうでしたが、特にテレビの音楽番組やCMに出演したことで高校在学中に声をかけていただいたのですが、大学に進学して勉強をしたかったんです。両立はできないと思ったので、当時は保留させてもらって。でもいざ大学に入ってみたら思い描いていた大学生活と違って、やっぱり音楽をやりたいという思いも強くなってきたこともあって、すっぱりと音楽の道を選びました。
――おぉ、潔ぎよく!?
(笑)はい。ちょうどその頃に、面識のある大原櫻子さんのライブを見に行ったんです。ステージ上を好きなように駆け巡って楽しく歌を歌って、ファンの方と盛り上がって、そんな櫻子ちゃんを目の当たりにして素直に良いなあと。自分だったらどんなステージにするだろう? どんな曲を作るかな? といろいろ想像したんです。音楽をやりたいというタイミングとも重なって、歌の道に進もうと決めました。両親も背中を押してくれたのも大きかったですね。
――そうして音楽の道へ進み活躍していく中で、ミュージカルに出ようと思われたのは?
父が元々ミュージカル俳優で、小学生の頃に父が作ったミュージカル作品に出演したこともあって、ミュージカルをとても身近に感じていましたから、ミュージカルのお話をいただいた時も迷うことはなかったですし、すごくうれしかったですね。
――そうだったんですね。そして、お仕事として初めて出演した作品が『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』でした。
演技も初めてでしたので、いろんなことが大変でした。演出が白井晃さんだったのですが、厳しくもとても丁寧に指導していただいて、その経験があったから、2本目の『RENT』では作品と向き合う気持ちが全然違ったんです。
――どのように違ったのでしょう?
もっと楽しみたいと思ったんです。ギリギリの状態で焦ったりしながらやるのではなく、さきほども言ったように臨機応変にその場で対応できるように、もちろん役の土台は崩さずに楽しめる余裕を持って演じたいと思って臨みました。そういう意識が高くなっていました。
――ミュージカルの楽しさを知ったのですね!
そうなんです、知ることができたのでもっともっと楽しみたいと思っています。
――今回、表現する方法は違いますが3作目になります。ユリ役を演じることについてはいかがですか?
過去の2作品でどれだけ役を自分の中に落とし込むか、どれだけ自分に重ねて自分の言葉として言えるか、ということを学びました。ユリと自分の境遇の合うところや似通っているところを書き出したりして、いろいろ掘り下げてから挑みました。『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』で演じたキャンディは感情を爆発する女の子で、『RENT』のモーリーンも自分に自信があって人を引っ張っていく強い存在、でも今回のユリはキャリアウーマンでしっかりした女性ではあるんだけれども、イマジナリ・フレンド(空想の友人)を作って内にこもっている女の子だったので、また違う自分を見つけないとユリになれないと思いました。これを言うのはとても恥ずかしいんですけど、どうしても下町っぽい話し方になるんですね、私。でもキレイでいければと思って、普段から言葉遣いを直す努力をしていました、キレイにしゃべろうと(笑)。
――役になるというのは楽しいですか?
楽しいです! 自分だけど自分じゃない人になるというのは本当に楽しい。元々真似をすることが好きだったのもあると思うのですが、自分ではない他の人になれることがすごく楽しくて 。
――やっぱり声を作るところから始めるんですか?
あっ、そうかもしれないですね。今回、台本をいただいて読んだ時に、自分以外のセリフもすべて読むじゃないですか。それぞれ登場人物の声を変えながら読んでいました。コロコロと声を変えて。(ここで実践してくださいました!)
――お~~すごい!“ひとり『PARTY』”ですね!?
はい(笑)、“ひとり『PARTY』”をしてました。
◆公演情報◆
ミュージカル 『PARTY』
・視聴方法:
SwipeVideo(マルチアングルver.)
YouTube(カット割りver.)
・公式ホームページ
[スタッフ]
作曲:ジェイソン・ハウランド
脚本・歌詞:横山清崇
演出:元吉庸泰
音楽監督:竹内聡
[出演]
鈴木瑛美子、加藤和樹、伊礼彼方、石川禅
樋口麻美、廣瀬友祐、May’n、小野田龍之介
髙橋颯、東山光明、五十嵐可絵、山﨑玲奈
〈鈴木瑛美子プロフィル〉
幼少期から家族と共に音楽に囲まれる環境のもと、7歳の時から作詞・作曲も始め、様々なステージ、テレビ出演やCD音源収録にも参加する。2015年高校1年生の時「全国ゴスペルコンテスト(ゴスペル甲子園)」にてボーカル部門優勝。2016年「関ジャニ∞のTheモーツァルト 音楽王No.1決定戦」にて“最強ゴスペル女子高生”として話題となる。2019年「FLY MY WAY / Soul Full of Music」にてメジャーデビュー。2020年、配信EP「After All」をリリース。舞台出演作品は、『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳~』、『RENT』。8月にミュージカル『ジェイミー』への出演が決まっている。
★公式ホームページ
論座ではこんな記事も人気です。もう読みましたか?